人類が宇宙に生きる時代。遺伝子操作で宇宙に適する身体を得た種族・アーヴ。父の政治工作のため、地上人でありながらアーヴ貴族になった少年ジントと、アーヴの王女でありながら軍人見習いの少女ラフィールは、運命的な出会いを果たす。帝都に向かう途中、突如敵国からの攻撃を受けた二人は、戦乱の中逃避行を始めて…。
■キャスト
ジント:今井由香
ラフィール:川澄綾子
レクシュ:高島雅羅
ドゥサーニュ:塩沢兼人
トライフ:小杉十郎太
スポール:深見梨加
フェブダーシュ男爵クロワール:子安武人
フェブダーシュ前男爵スルーフ:麦人
エントリュア警部:石塚運昇
カイト大尉:池水通洋
ラマージュ:土井美加
マルカ:日野由利加
葬儀屋:高木 渉
ミン:瀬田壱恵
■スタッフ
企画:渡辺 繁/植田益朗
原作:森岡浩之(ハヤカワ文庫刊)
シリーズ構成・脚本:吉永亜矢
ビジュアルコンセプト:赤井孝美/江田恵一(ナインライブス)
キャラクターデザイン:渡部圭祐
メカニックデザイン:森木靖泰/筱 雅律/常木志伸
美術監督:岡田有章
色彩設計:歌川律子
撮影監督:白井久男
編集:瀬山武司
オープニングテーマ・音楽:服部克久
音響監督:小林克良
音楽制作:おもちゃ工房/BeSTACK
プロデューサー:海部正樹/岩田幹宏/杉田敦/積 惟文
監督:長岡康史
製作:サンライズ/WOWOW
製作:バンダイビジュアル
ジントの住む惑星マーティンは、ある日突然、圧倒的な兵力を有するアーヴの星界軍の侵略を受けた。政府主席であるジントの父・ロックは、全面降伏を受け入れ自らがアーヴ貴族となりマーティンの領主の地位におさまってしまう。それから七年後、ジントはアーヴ貴族の義務である兵役に就くため帝都へ向かおうと宇宙港にいた。
宇宙港で、ひったくり騒ぎに巻き込まれたジント。走り去ろうとする犯人を捕らえたのは青い髪の少女で、彼女はジントを迎えに来たアーヴの軍士だった。名前を尋ねるジントに対し、少女は宣言するかのように「ラフィールと呼ぶがよい!」と答える。
ラフィールに連れられて、戦艦ゴースロスに乗り込んだジントは、艦長のレクシュから、ラフィールが皇帝の孫娘であると知らされる。戸惑いを隠せないジントはラフィールに敬語を使うが、ラフィールはジントと名前を呼び合うような友人になりたいと言い、自らの出生の秘密について語り始めるのだった。
正体不明の時空泡群に包囲されたゴースロス。それは、アーヴ帝国に敵対する人類統合体の艦隊だった。自分たちの勝利する確率が極めて低いことを知ったレクシュは、ジントとラフィールに、連絡艇で脱出するように告げる。
勝ち目のない戦いに突入するゴースロス。一方、ジントと共に脱出したラフィールは、自分の無力を悔やんでいた。励ましの言葉をかけるジントに、ラフィールは自分の遺伝子を提供したのはレクシュであることを打ち明ける。
ジントとラフィールの乗った連絡艇は、補給のためにフェブダーシュ男爵領に立ち寄った。フェブダーシュ男爵は、補給する燃料が不足している、連絡艇に点検が必要であるなどと言い彼女を足止めする。しかし、ジントは地上人ということから差別的な扱いを受けて……。
ラフィールと引き離されたジントが目覚めたのは、フェブダーシュの父、前男爵スルーフの部屋だった。純粋なアーヴに劣等感を抱くフェブダーシュは、地上人の父を幽閉していたのだ。一方、ジントに会わせてもらえないラフィールは、フェブダーシュの家臣セールナイを味方につけて、二人だけの反逆を開始する。
ラフィールは連絡艇に乗り込んで、前男爵の幽閉区画へ向かう。真空の宇宙を渡らせるという無茶な方法でジントと前男爵を救出したラフィールだったが、すぐにフェブダーシュの反撃が始まる。非武装の連絡艇で、フェブダーシュの宇宙艇と戦うと言うラフィールは……。
フェブダーシュ男爵領に別れを告げ、再びスファグノーフを目指すラフィールとジント。しかしスファグノーフ門はすでに敵の手に落ちていた。辛くも追撃は振り切ったが、目的の基地に受け入れられず、ジントたちは惑星クラスビュールに不時着を余儀なくされる。
連絡艇を捨てて移動を始めたジントとラフィール。初めての地上に戸惑うラフィールは、敵の占領下で潜伏するためとジントに説得され、髪を黒く染めて服を着替える。ひとまずどこかの都市に紛れ込もうと考えた二人は、その道すがら柄の悪い男たちに声をかけられて……。
ジントとラフィールは、ある宿に潜伏していた。そこに四人の男たちが踏み込んでくる。それはアーヴ支配からの自主独立を目指す組織「反帝国クラスビュール」の構成員たちだった。ジントは、ラフィールを人質にして帝国と取引をしたいという構成員・マルカの要求に、条件付きで応じることを決める。
偵察分艦隊フトゥーネの司令官、スポールは、敵艦隊を容赦なく蹴散らしていた。一方、ジントとラフィールを連れて行動していたマルカたちは、憲兵に呼び止められる。憲兵たちは、彼らが帝国のために働いていると誤解していたが、ラフィールはその誤解を解くよりも先に、憲兵たちを攻撃してしまい……。
爆風に吹き飛ばされたジントとラフィールは、グゾーニュ幻想園に紛れ込んだ。脱出を試みる二人だが、出口を目前にして警察に追い詰められてしまう。渋々投降した二人の前に、カイト憲兵大尉が現れる。アーヴを憎んでいる彼の銃口は、ラフィールに向けられる。しかし、ジントは身を挺してラフィールを守ろうとして……。