初めまして、賢者様。ようこそ、壊れかけの世界へ。
平凡な日常を送っていた真木晶が迷い込んだのは、魔法使いと人間が共存する世界。
その世界では、〈大いなる厄災〉と呼ばれる巨大な月が年に一度襲来する。月と戦う使命を持つ『魔法使い』たちを束ねる『賢者』として、晶はこの世界に召喚されたのだ。月と戦い、世界を救うため。そして、人間と魔法使いの架け橋となるために。
自分の心に従い魔法を使う魔法使いたちに、寄り添い、心を繋ぐ努力をする晶。
美しく恐ろしい壊れかけの世界で、魔法使いたちとの忘れがたい不思議な日々が始まる。
魔法使いと心を繋ぐ物語
■キャスト
アーサー:田丸篤志
オズ:近藤隆
カイン:神原大地
リケ:永野由祐
ミスラ:高橋広樹
スノウ:鈴木千尋
ホワイト:寺島拓篤
オーエン:浅沼晋太郎
ブラッドリー:日野聡
シノ:岡本信彦
ファウスト:伊東健人
ヒースクリフ:河本啓佑
ネロ:杉山紀彰
ムル:仲村水希
シャイロック:立花慎之介
クロエ:天﨑滉平
ラスティカ:三浦勝之
ルチル:土岐隼一
フィガロ:森川智之
レノックス:帆世雄一
ミチル:村瀬歩
真木晶:花守ゆみり
■スタッフ
監督名:龍輪直征
脚本家名:樋口七海
原作者名:都志見文太、かずまこを
原作名:coly「魔法使いの約束」
風の強い、明るい満月の夜。真木晶が自宅マンションのエレベーターに乗り込むと突然奇妙な服装の見知らぬ男が現れる。「お会いできて光栄です、愛しい賢者様。あなたに、世界を救済してほしいのです」。一方的な言葉に戸惑う中、エレベーターの扉が開くと、そこは見慣れた廊下ではなく、見知らぬ異世界だった…!
東の国の呪い屋・ファウストは、先の<大いなる厄災>で仲間を庇い、瀕死の傷を負っていた。ヒースクリフらに頼まれた晶はファウストの病床を訪れる。そこには双子の魔法使いスノウとホワイトやブラッドリー、そして世界最強の魔法使いオズの姿があった。事切れそうなファウストを前に、晶はオズに従い、彼と手を重ねると…
新しい『賢者の魔法使い』たちの召喚の儀式が決まる。儀式を行うことができるのは、賢者である晶ただひとり。準備が整うまでの間、前の賢者が魔法使いたちについて記したノート・『賢者の書』と照らし合わせながら、彼らが何を考え、何に心を痛めるかを知り、少しずつ距離を縮めていく。
召喚の儀式を終えた夜、魔法舎に侵入者が現れる。それは中央の国の書記官・クックロビンだった。彼の目的は、大臣の計画に従って晶を外へ連れ出したのち、軍によって魔法舎を武力制圧することだった。魔法使いたちは戸惑いや憤り、悲しみを感じる。そんななか、彼らの身体には、奇妙な異変が現れ始めていた。
新たに召喚された魔法使いたちが揃った魔法舎で『合コン』の開催が決定!魔法使いが一堂に会し交流会をすることに。しかし五つの国から集まった魔法使いたちは個性もバラバラでどうにも足並みが揃わない。さらに旧知の顔がいくつもある様子で因縁だらけのメンバーが揃ってしまったことが徐々に明らかになっていく。
晶と魔法使いたちは凱旋パレードと叙任式に参加することに。裁縫が得意なクロエはみんなの洋服を仕立て、晴れの場を楽しみにしている。しかし一方で、これまで人間のふりをしてひっそりと生きてきたネロは、人前に出ることに難色を示す。そんなネロを身勝手だと糾弾したのは、『神の使徒』として生きてきたリケだった。
中央の国でパーティが始まり皆がはしゃぐなか晶は会場を出ていくシノの後ろ姿に気づく。シノに事情を問うとヒースクリフと喧嘩をしたと言う。シノはヒースクリフの家の小間使いとして働いていたが、二人の間にあるものはどうやらそれだけではない様子。シノは晶に自らの出自と彼に抱いている複雑な感情について語り出す。
北の魔法使いたちを引き連れオズがパーティ会場に現れ、ついに『賢者の魔法使い』が全員揃う。しかし彼らは一筋縄ではいかない好戦的な魔法使いたちで…。さらに、アーサーの叔父ヴィンセントは『魔法科学』の力を誇示し、民衆にその力を見せつけようとするが、その動力となるマナ石は、魔法生物や魔法使いの骸であった。
クックロビンを探すため、西の魔法使いたちと『月蝕の館』を訪れた晶は、突如不思議な空間に放り出されてしまう。一方、北の魔法使いに敵対心を抱いていたミチルは、ブラッドリーに対して不満を爆発させる。魔法使いが差別的な扱いを受けるのは、人間を怖がらせたりする北の魔法使いの振る舞いのせいだと憤るミチルだが…。
北の魔法使いオーエンがニコラスの飛び降り事件に関わっているかもしれない。その疑惑を皮切りに、人間たちの猜疑心が膨らみ、魔法使いたちは追われるようにして城を発つことになる。憎しみを向けられ魔法使いたちのまとまりかけた心はバラバラに。それぞれのこれまでの生き方に想いを馳せながら、晶はあることを決意する。
姿を現したオーエンはニコラス飛び降りに関して重要な情報を口にする。さらにスノウとホワイトは異変にまつわる「あること」を思い出す。墓荒らしや『月蝕の館』の儀式跡など、これまでに起きた不可解なことがつながり始め、やがて悍ましい計画の全容が浮かび上がる。晶たちは最悪の事態を防ぐためミスラに助力を求めるが…
謎の魔法使いノーヴァの計画によって巨大な怪鳥トビカゲリが姿を現わし、街には蘇った死者たちが溢れ出す。それぞれの想いや過去、<大いなる厄災>で負った傷を背負う中、街や民衆を守るため、自らの誇りのため、懸命に戦う魔法使いたち。魔法使いたちと晶は、目の前の人を、この世界を、救うことができるのだろうか。