中村主水、加代、西順之助、おりくは、ある一家の恨みを晴らすため下総に赴く。その時、組紐屋の竜と花屋の政も仲間に加わった。それから数カ月後、主水のチームに竜と政が加入。新生仕事人が、裏家業として、悪党共を次々と始末していく。
■キャスト
藤田まこと
鮎川いずみ
京本政樹
ひかる一平
山内敏男(としお)
梅津栄
妹尾友信
灘陽子
三浦徳子
溝田繁
白木万理
村上弘明
菅井きん
山田五十鈴
■スタッフ
脚本:中原朗
吉田剛
保利吉紀
鶉野昭彦
篠崎好
三田純市
林千代
監督:広瀬襄
松野宏軌
田中徳三
八木美津雄
家喜俊彦
黒田義之
津島勝
石原興
音楽:平尾昌晃
ある日主水は、「おまえのうらかせぎしってるぞ」と書かれた付文が知らぬ間に懐に入っているのを発見。慌てて加代やおりくに繋ぎを取る主水だが、敵の正体や目的は分からない。そんな中、奉行所の上役・田中が何者かによって誘拐されてしまう。
近頃江戸では、五人組の押込み強盗が出没。主水たちは手掛かりを探すが、その正体は一向に掴めない。そんな中、呉服問屋・伊勢屋の一人娘・お弓は、友人たちと一緒に温泉旅行へ出掛けるが……その宿の主・藤七と女房のお甲こそ、件の強盗の頭目であった。
加代は謎の男・孫七に頼まれ、「五里霧林」なるからくり玩具を売ることに。最初に解いた者には千両の賞金が出るとあって五里霧林は大評判となり、加代は笑いが止まらない。しかし孫七には何やら訳があるらしく、その後も身元や居所を明かそうとはしない……。
奉行所の金銭出納役を務める下山は、以前関係を持ってしまった女・お直に金を強請り取られていた。ついには公金二百両を三日だけ貸して欲しいと詰め寄られるが、偶然話を聞いた高僧・玄円が保証人を買って出ることに。しかし、お直と玄円は実はぐるであった。
奉行所の人員整理で同心部屋からも一人退職者を出すことになり、筆頭候補の主水は加代に職探しを頼む始末。その頃政は、育ての親である活け花の師匠・お京を訪ねていた。十五年前に父を亡くした政にとって、彼女は育ての親兼仕事人の師匠でもあったが……。
奉行所では仕事人の探索が急に厳しくなり、主水は加代に一時身を隠すよう指示。これを受け、政・竜・順之助たちは江戸の外れにある温泉・加納の湯に落ち着く。ところがそこへ、江戸を追われてきた仕事人たちが現れ、人質を取って宿に立て篭もってしまう。
札差の近江屋幸兵衛は息子の小太郎を医者にすべく、出入りの医師・源庵に弟子入りさせていた。そんな中、功名心の強い源庵は腎臓の移植手術に挑戦する決意を固め、幸兵衛に腎臓提供者を用意するよう頼む。幸兵衛は、借金で首が回らない大工・留吉に目を付ける。
以前仕事料を持ち逃げした仕事人・石亀と偶然再会した加代は、「あのときの二十両を返して」と迫る。が、これを聞いた石亀の女房・お絹は「夫の借金は私が返します」と言い出し、芸者として働くことに。美人で芸達者なお絹はたちまち人気芸者となるが……。
街頭で薬草漬けのゆで卵を売っている松之助・竹吉・梅太郎の三人組は、悪を倒す仕事人に憧れる気の良い若者たち。ところが、公儀勘定方の上林はそんな松之助たちに目を付け、邪魔になった目付・三谷のことを悪者だと吹き込んで殺させるよう仕向けるが……。
帯問屋・森田屋は老舗の大和屋に代わって松尾藩御用達になるため、家老の三野田を買収。その上で勘の鋭い大和屋の主・徳兵衛の口を塞ぐため、やくざ同士の抗争に見せかけて殺害。さらに、現場を目撃した竜には大和屋の娘・お袖殺しの濡れ衣を着せてしまう。
おりくに殺しの技を仕込んだという伝説の仕事人・亀吉が、百両の大仕事のため江戸へ帰ってきた。今回の標的は、悪人たちの棲み家となった浮島を牛耳っているという正体不明の頭・双つ頭の海蛇。話を聞いたおりくは主水らに、亀吉の助っ人を頼むのだが……。
ある日、竜の知り合いの娘たちが三人まとめて殺された。実はこの一件には、伊賀忍者から竜へ向けた脅しの意味が込められていたのだ。竜の前身は、伊賀から脱走した抜け忍だったのである。竜は周囲に迷惑を掛けまいと、「仕事人から抜ける」と宣言するが……。
江戸ではヒヒが夜な夜な現れ、闇に紛れて美しい娘をさらう事件が頻発。これは、廻船問屋の大黒屋が火消しの伝次に着ぐるみを着せ、評判の美女たちを誘拐させていたのである。大黒屋は娘たちに入墨を施し、大名の武州候や雲州候に取り入る道具にしていたのだ。
植木職人の勘太とその母・おとよが、神社の境内で突如死亡。これは居合斬りで有名な鹿島新念流の仕業であったが、神速の早業ゆえに誰も現場を見ておらず、奉行所はかまいたちの仕業と断定。勘太の女房・おちかは、仕事人に仇討ちを頼もうと加代を訪ねるが……。
武士だった夫を八年前に亡くした八重は、呉服屋・越後屋から着物の仕立ての仕事を貰い、幼い娘・ゆきを抱えながら細々と暮らしていた。越後屋の主人・七兵衛は、懇意にしている与力・倉沢の妾になるよう八重に持ち掛けるが、彼女は首を縦に振ろうとしない。
江戸では、商家の者が組紐で首を吊る一家心中事件が頻発。しかし主水は、これら一連の事件を仕事人による殺しだと睨む。竜の仕業ではなさそうだが、使われた組紐は間違いなく竜が作ったもので、死んだのはいずれも裏稼業から足を洗った者ばかりだったのだ。
近頃江戸では、奉行所に勤めている現職の役人や辞めていった者による犯罪が横行。そんな中、加代は百姓の勘助とその息子・三吉と知り合い、世話をすることに。勘助は、母を知らない三吉のために新しい母親を見付けようと、田舎から江戸に出て来たのだが……。
昔馴染みの音吉と偶然再会した政は、彼がかつての政の恋人・お涼と一緒に住んでいるのを知り、衝撃を受ける。そんなある夜、油問屋の蔵が破られ手代が殺されるという事件が発生。この一件、実は錠前外しの名人である音吉を含めた辰蔵一味の仕業であった。
江戸では、天才三味線弾き・木阿弥が大人気。しかし木阿弥は自由奔放な男で、三味線棹屋流の家元・佐理衛門との弾き比べを目前にしながら、佐理衛門の妹・お千代を熱心に口説いていた。そんな中、銃の密売組織に自分が利用されていると知った木阿弥は……。
加代や政と同じ長屋に住む少年・正太は、身寄りがないながらも懸命に働く健気な少年。そんな中、正太が親しくしている一膳飯屋の看板娘・おみちが近々所帯を持つことに。しかしその相手が遊び人風の男・弥平だと聞かされ、正太はおみちを心配する……。
廻船問屋・泉州屋の一味を仕置する、主水たち。しかし用心棒の天堂を狙った竜は、偶然通り掛かった夜鷹のちよ美を巻き込むまいとして仕損じ、右足に深手を負う。次の日天堂を見かけた加代は、竜の失敗に気付き主水に報告。主水らは竜の行方を捜すが……。
神田明神下の長屋に生えている椿の葉が、「万病に効く」と大評判に。大奥に顔が利く御典医・源庵は、作事奉行・梶原や香具師の文蔵と組んでこの長屋を乗っ取り、椿の葉で大儲けしようと画策。しかし長屋の大家・お千加は気丈な女で、脅しにも全く動じない。