南町奉行所同心の主水は、百軒長屋の出張番屋詰めを命じられる。そこで、長屋の住人たちを食いものにする普請方組頭、高森と口入れ屋、上総屋らの悪業を知る。主水は裏稼業をする銀平、お玉、それに昔なじみの政、順之助らと新たな仕事人チームを結成する。
必殺シリーズの第27作、必殺仕事人シリーズの第7作、中村主水シリーズの13作目。
■キャスト
藤田まこと
村上弘明
ひかる一平
あき竹城
中田浩二
吉原正皓
■スタッフ
監督:工藤栄一、水川淳三、田中徳三、松野宏軌、石原興、原田雄一
脚本:田上雄、保利吉紀、中原朗、林千代、篠崎好、安倍徹郎、吉田剛
百軒長屋の番所勤めへ左遷された主水は、その晩偶然殺しの現場を目撃。そんな中、長屋で便利屋を営む女・お玉は、商いを注意した主水に「裏稼業のことを奉行所に報せる」と脅しを掛ける。警戒した主水は、かつての仲間・順之助と共に彼女の身辺を探り始める。
一人息子・小太郎を女手一つで育てている若後家・お志麻が、ある晩何者かに襲われた。犯人から摺り本の墨の匂いがしたと聞かされ、主水は調査を開始。ところがそのお志麻が、瓦版屋・聖古堂の若旦那・朝吉と料理茶屋で密会し、不義密通で殺されてしまう。
船頭の銀平は、百軒長屋に住む魚屋・魚虎の直吉が武士に斬り付けられる現場を目撃。幸い軽傷で済んだが、お玉が訳を聞いても直吉は何も答えようとしない。実は直吉は美濃校倉藩を脱藩した元侍で、仲間と共に藩主・稲葉備中守の暗殺を密かに計画していたのだ。
ある日銀平が主水を呼び出し、突然「しばらく裏稼業から外れたい」と言い出した。銀平はかつての恋人・おたきからの手紙を読み、彼女を救うため故郷の武蔵国・日の坂村へ向かうという。日の坂村の人々は、関八州取締出役・黒岩の狼藉に苦しめられていたのだ。
新たな大目付として、切支丹狩りで多大な成果を挙げた元長崎奉行・加納源太夫が赴任。加納は、着任早々旗本・牧野守正の妻・雪乃が切支丹であることを突き止めると、夫婦もろとも斬殺。しかし主水は、加納の容赦ないやり口と捜査の早さに疑念を抱くのだった。