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第1話 最悪の誕生日
2030年7月1日。漫画編集者の西野水帆は、最悪な27歳の誕生日を迎えていた。担当している漫画が連載終了になるという連絡をもらい、落ち込む水帆。しかし、通りすがりの楽しそうな高校生たちの姿を見て、自分にもかつてまぶしい青春があったことを思い出す。
遡ること10年前、高校2年生の水帆の周りには、恋ヶ浜ハイランドという住宅地で一緒に育った4人の幼なじみがいた――。
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第2話 そばにいるよ
泣き虫な末っ子キャラだと思っていた輝月から、どんどん迫られる水帆。いつまでも仲のいい幼なじみとして付き合って来た水帆は、どう接すればいいのか戸惑い、悩んでしまう。輝月のことを考えるたびに、教室の前で立ち止まって深に邪魔もの扱いされたり、勉強に集中できなかったりと踏んだり蹴ったり。そんな中、さらに距離を縮めようと迫ってくる輝月に、水帆はつい突き放すような一言を返してしまって――。
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第3話 体温
放課後の教室で寄り添い合う水帆と輝月。水帆は恋の予感を抱きつつも、幼なじみの関係を壊したくないという思いから、輝月を好きになってはいけないと自分に言い聞かせていた。目まぐるしくいろんなことが起こったせいか、知恵熱を出して倒れる水帆。そんな水帆の看病のため、幼なじみたちが集結する。深に水帆の介抱を任せ、買い出しに向かう輝月、藍、周吾の3人。しかし、そこで藍の意外な知り合いに出会い――。
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第4話 未来への花火
幼なじみの5人で水族館へ遊びに行った帰り道、水帆は二人で出かけたいという輝月に手を引かれ、電車を途中下車することに。訪れたカフェで、デートのように振舞う輝月に思わずドキドキしてしまう水帆。輝月は、来週の土曜日に水泳記録大会をすることになったと言い、水帆に応援に来てほしいと伝える。一方、輝月と水帆に置いて行かれた深、藍、周吾の3人も、どこかに寄り道をすることにしたようで――。
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第5話 ずっと一緒にいる方法
花火が打ちあがる中、屋上にたたずむ水帆と藍。藍の言葉で輝月のことを思い出した水帆は、一直線にプールに向かって走り出す。息を切らしてたどり着いた水帆がプールに続くドアを開けると、そこにいたのは輝月ではなく斉藤だった。会話を交わすことで、お互いに気持ちの整理をつけることができた水帆と斉藤。斉藤の後ろ姿を見送った水帆は、今度こそ輝月に会うためにプールへと向かう――。
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第6話 友だちじゃいられない
父親が仕事で不在の間、順番に幼なじみの家を周って夕食をごちそうになっている水帆。それぞれの家で楽しく過ごしているものの、輝月の家に行くことだけは避けていた。千夏からは、そんなことをしているとほかの女に取られるよと忠告されるが、輝月とは友達のままでいいのだと言う水帆。そして輝月の家を避けて訪れた深の家で、水帆は深から「友達やめよう」と言われてしまい――。
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第7話 なかよしごっこ
母親のお墓参りの帰り道、突然始まった秘密暴露大会から逃げるため、水帆はアイスを買いにコンビニへとやってくる。そこで偶然再会したのは、周吾の兄であり、水帆の初恋の人でもある透吾だった。どうしてここにいるのかという質問には答えず、はぐらかすように恋愛の話題を振り、水帆を構って楽しむ透吾。そんな場面に合流した幼なじみたちは、動揺したり、喜んだり、煙たがったりといろいろな反応を見せて――。
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第8話 片想いのかたち
透吾が教育実習生になったことで、幼なじみ5人の日常にすっかり透吾が加わった。そんな透吾が原稿明けの水帆をねぎらうために二人きりのドライブに誘うと、焦った様子で一緒に行くと言う輝月。しかし、輝月は部活、深と藍は生徒会と撮影の仕事で都合がつかず、ただ一人予定のなかった周吾が透吾のお目付け役に抜擢される。その場では「どうでもいい」と拒否した周吾だったが――。
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第9話 君といた時間
感染症の影響で、青高祭の中止が決定される。この日のために準備してきたコンサートや展示会の看板を、ゴミ捨て場に投げ捨てる生徒たち。深は納得のいかない様子でその光景を見つめながらも、片付けの進捗をチェックしていた。しかし、教室で寂しそうに漫画研究部の展示用の飾りや販売用のポストカードを片付けている水帆と話をしたことをきっかけに、生徒会長としてある行動に出て――。
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第10話 衝動
透吾の送別会と称して、キャンプに行くことになった幼なじみ5人と透吾、千夏の2人。輝月はいつも通り水帆のそばを離れず、水帆もなんだかんだで輝月のことを受け入れている様子。そんな二人をただ見ているだけで行動を起こさない深に、「もっとずるくなれ!」と、藍がその背中を押す。そしてようやく、輝月に遠慮することをやめた深が、水帆を振り向かせるために本気を出し始めて――。
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第11話 変わっていくもの
二人きりのロッジで、水帆にキスをする深。突然の出来事に動揺した水帆は自分のロッジに籠もり、覚悟を決めた深は道中で会った輝月にライバル宣言をする。容姿も頭脳も完璧な深が水帆に急激なアプローチを仕掛けていく様子を見て、一気に弱気になる輝月。少しずつ幼なじみ5人の関係性が変わっていく中、一人で複雑な気持ちを抱えていた水帆に、透吾が手を差し伸べて――。