いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。7人の少女たちの安寧は、突如崩壊する。死して蠢く、ゾンビによって……
否応なく踏み込んだ世界、そこは“最高×最悪のゾンビワールド”
少女たちの願いは、たった一つ。「私たち、生きたい。」これは、少女達が起こす奇跡の物語(サガ)。
MAPPA×エイベックス・ピクチャーズ×Cygamesの3社が偶然にも手掛けた100%肉汁オリジナルアニメが誕生!年齢も性別も時代も超えて、びんびんに刺激する『新感覚ゾンビ系アニメ』の幕がいま上がる。
■キャスト
巽幸太郎:宮野真守
源さくら:本渡楓
二階堂サキ:田野アサミ
水野愛:種田梨沙
紺野純子:河瀬茉希
ゆうぎり:衣川里佳
星川リリィ:田中美海
山田たえ:三石琴乃
警察官A:吉野裕行
ロメロ:高戸靖広
■スタッフ
監督:境宗久
シリーズ構成:村越繁
キャラクターデザイン:深川可純
美術監督:小倉一男
撮影監督:柳田貴志
色彩設計:佐々木梓
編集:後藤正浩
音楽:高梨康治
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
音響監督:境宗久
音響制作:dugout
アニメーション制作:MAPPA
その生きる屍は、ある洋館でひっそりと目覚めた。 それはただ、自分が誰かも、その場所がどこかも、何もわからぬまま、徘徊するのみ。 やがて生きる屍は、恐るべき現実を目の当たりにし、自らの運命を告げられる。 偽りの仮面をかぶり、闇の中を歩き続けるしかないのだと。 そして、生きる屍に天からの光が差した時、人々は聞くだろう。 狂乱の中に響き渡る叫びを。 その、破滅の叫びを。
―――――《巽幸太郎》の日記より
ただのゾンビィだったメンバー全員が自我に目覚め、《さくら》も安心したようだ。 ようやくここからアイドルグループとしての活動を始められる。 まずは、あいつらにゾンビィバレをした時の恐怖を叩きこまなければ。 グループ名も『デス娘(仮)』だと方向性が偏りそうなので、今変えてしまおう。 思い付かないので、今度にしよう。 あとは、アイドルグループにふさわしい初舞台の用意だ。 何か良いイベントはないものか。
―――――《巽幸太郎》の日記より
佐賀城でのイベントも想定通りに盛り上がった。 《さくら》と《サキ》の爆発力もなかなかだったが、盛り上げに徹した《ゆうぎり》と《リリィ》もさすがに肝が据わっている。《たえ》はあれでいい。 が、どうも全体的にアイドルっぽさが足りないので、強引にアイドルっぽい感じのやつをやらせるとしよう。 経験者の《愛》と《純子》が引っ張れば、全く問題ないはずだ。 ワンフォーゾンビィ! オールフォーゾンビィ!
―――――《巽幸太郎》の日記より
グループ名は俺に何の断りもなく『フランシュシュ』になったらしい。 リーダーもいつの間にか《サキ》に決まっていた。 改めて俺がプロデューサーだと分からせた方がよさそうだ。 とは言え、自主的に行動するようになったのは悪いことではない。 ここはちょっぴりやる気を出したおしゃべりゾンビィ達に、がっつり稼いでもらうとしよう。 というわけで、温泉へ営業に行かせます。 メイクが取れてゾンビィバレでもしたら、一巻の終わりだな
―――――《巽幸太郎》の日記より
あいつらは俺の想像を簡単に超えてくる。 製薬会社とのタイアップのチャンスを見事に潰してくれた。 だが、そこはこのプロデューサー巽幸太郎、今回は誰もが知っている超有名企業のCM出演権を手に入れてきました。 『フランシュシュ』は佐賀一帯にその名声を轟かせるだろう。 泥にまみれた不死鳥は、大空へと羽ばたく。
―――――《巽幸太郎》の日記より
『フランシュシュ』にもファンがついてきた。 これもひとえにプロデューサー巽幸太郎の手腕。 ここらでひとつファンとの交流を持たせ、その心をガッチリ掴ませよう。 普段はデジタルを駆使しても、アナログな繋がりの強さを忘れてはならない。 実際にファンを目の前にすれば、ゾンビィどものなかよしチームワークも強まるはず。 完璧。 シャワーを浴びる。
―――――《巽幸太郎》の日記より
野外音楽イベント【サガロック】への出演が決まった。 だが相変わらず《純子》のやつがうじうじナメクジみたいになっている。 サングラスが曇るの、あいつのせいじゃないだろうな。 メンバーたちは不安そうだわ、《愛》にかかるプレッシャーは強くなるわ…… 【サガロック】当日の天気予報は雷雨か。 文字通り雲行きが怪しくなってきた。 とりあえず、潤いが欲しいので今日は寝る。
―――――《巽幸太郎》の日記より
臭い蓋を開けてみれば、【サガロック】でのステージは成功に終わった。 止まない雨はない。蘇らないゾンビィもいない。 『フランシュシュ』の名もだんだんと知られてきた。 ただし、有名になれば、当然ヘンな輩に目を付けられる可能性も大きくなる。 まさかあの男がきっかけで、やーらしかゾンビィたちが重大な事実を知ることになるとは。 ゾンビィたちよ、何があろうと、明日に歌え!
―――――《巽幸太郎》の日記より
突然ですが、少子高齢化社会です。 これからはサガのご老人たちにも『フランシュシュ』のファンになってもらわなければならない。 おじいちゃん、おばあちゃんが会いに来るアイドル。素晴らしいと思いませんか。 イベントでの挨拶も、わかりやすくするか…… 「『フランシュシュ』はいつでもアクセル全開! 老若男女に向けたアイドル活動を行ってまいります!」 いや、もっと端的に、 「ゾンビィのとこ、こないか?」
―――――《巽幸太郎》の日記より
ご老人たちだけでなく、やんちゃなファンも増えたようだ。 優秀なプロデューサーのおかげで、ゾンビィ達も死んでいるにしてはスクスクと成長している。 そんなぎゅーらしかゾンビィ達に、新たなステップを踏ませてやることにした。 これは、あいつらが必ず登らなければならない大きな山だ。 そしてその頂へ向かうためにすべきことは、一つしかない。
―――――《巽幸太郎》の日記より
やりおった。《さくら》が事故りおった。 どうやら生前の記憶が戻っているらしい。 あいつ、元の性格がめちゃくちゃだ。 (※中略) 他のじっぱかゾンビィ達は《さくら》を元に戻そうとしているようだが…… (※中略) とりあえず、明日が欲しいので今日は寝る。 追記:寝付けない。コーヒーを飲み過ぎたか。
―――――《巽幸太郎》の日記より
《さくら》の記憶が戻らない。 まったく「持っとらん」「持っとらん」とうらめしかやつだ。 だが、ここで諦める巽幸太郎ではない。 自分を信じろ。 俺は必ずアルピノのステージに『フランシュシュ』を立たせる。 そこからがプロジェクトの本当の始まり。 『ゾンビィランドサガ・プロジェクト』の始まりなのだ。
―――――《巽幸太郎》の日記より