平和な孤島・竜宮島に突如襲来した未知の生命体“フェストゥム”から人々を守るため、少年少女が人型兵器“ファフナー”に乗りこみ命を賭して戦う姿を描く、オリジナルアニメーション「蒼穹のファフナー」シリーズ。
2004年にTVシリーズ第1期「蒼穹のファフナー」の放送がスタートし、
翌2005年、知られざる過去の戦いを紐解くTVスペシャル「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」が放送された。
2010年、皆城総士の島への帰還を描いた劇場版「蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH」公開。
2015年放送のTVシリーズ第2期「蒼穹のファフナー EXODUS」では、少年たちは更に複雑化した新たな戦いへと巻き込まれていった。
そして、シリーズ15周年を迎えた2019年、彼らの運命が再び動き出した「蒼穹のファフナー THE BEYOND」。全12話を4章に分けて2021年まで劇場先行公開された本作を、TV放送用に再編集した「蒼穹のファフナー THE BEYOND (TV Edition)」として送る。
■キャスト
皆城総士:喜安浩平
日野美羽:諸星すみれ
真壁一騎:石井真
遠見真矢:松本まりか
春日井甲洋:入野自由
来主操:木村良平
近藤剣司:白石稔
近藤咲良:新井里美
西尾里奈:白石涼子
鏑木彗:小野賢章
御門零央:島﨑信長
水鏡美三香:石川由依
立上芹:福圓美里
真壁史彦:田中正彦
溝口恭介:土師孝也
西尾行美:京田尚子
羽佐間容子:葛城七穂
小楯保:高瀬右光
イアン・カンプ:てらそままさき
ジェレミー・リー・マーシー:遠藤綾
ベラ・デルニョーニ:相川奈都姫
マデリン・ゾーン:鶏冠井美智子
マリス・エクセルシア:斉藤壮馬
セレノア:ゆかな
レガート:最上嗣生
マレスペロ:櫻井孝宏
ケイオス・バートランド:岡本信彦
ルヴィ・カーマ:佐々木りお
ディラン・バーゼル:勝杏里
アレクサンドラ・ギャロップ:根谷美智子
皆城輝夜:松田颯水
皆城朔夜:松田利冴
マレスペロ(少年の姿):石川静
貴志フェイ:藤田茜
近藤衛一郎:永井真里子
フィラス・アナン:岩崎諒太
他
■スタッフ
原作:XEBEC
シリーズ構成:冲方丁
キャラクターデザイン:平井久司
メカニックデザイン:鷲尾直広
CGアニメーションディレクター:井野元英二
美術監督:野村正信
堀越由美
美術デザイン:青木薫
色彩設計:関本美津子
撮影監督:越田竜大
編集:伊藤潤一
音楽:斉藤恒芳
演奏:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
音響監督:三間雅文
主題歌:angela
エグゼクティブプロデューサー:中西豪
プロデューサー:須藤孝太郎
アニメーションプロデューサー:明官ゆう子
アニメーション制作:Production I.G
アニメーション制作スタジオ:I.Gzwei
監督:能戸隆
製作:FAFNER BEYOND PROJECT
人類とフェストゥムとの戦いは、さらに複雑さを増しながら続いていた。 「第五次蒼穹作戦」の名の元、奪われた同胞を取り戻すため 人型兵器ファフナーに乗り込んだ真壁一騎ら竜宮島部隊はフェストゥムとの激しい戦闘を繰り広げる。 「誰かが生きるために誰かが犠牲になる。そんな世界を捨てて生きよう。」 「お前を、居るべき場所へ還す」 奪われたのは竜宮島の人々にとって、かけがえのない存在。 だがそれは、拮抗するものたちにとっても同じこと。そして、人類にとっても……。 終わりの見えない戦いが続く世界。 そして、ここに今、また新たな物語が始まる――
夢の中で、乙姫そっくりなふたりの子供たちに出会った総士。 彼らは「ミールの申し子があなたを探す」と総士に告げる。 その傍らには、ひとりの男性が立っていた。 夢から覚めるとそこはいつもの平和な島。そしてどこまでも続く青い海だった。 優しい両親、生意気だけどかわいい妹、気の置けない親友。 満ち足りた日常だが、総士の好奇心は島の外に向かっていた。 「世界が本当はどうなっているのか、誰か教えてください」 古い無線機に呼びかける総士。すると、それにこたえる者があった。真実を知りたいか、と。
島の外から来た男に大切な妹を殺され、住んでいた島を破壊された総士は、彼の話に耳を貸そうとしない。 一騎は彼を眠らせ、美羽たちにあとを託す。 やがて目を覚ました総士は、島の人々――特に一騎に反発し、反抗的な態度をとる。 史彦らは、この世界こそが現実なのだと総士を説得しようとするが……。 3年もの歳月をかけてようやく取り戻した、竜宮島へと続く道標。 だが、彼の心は未だ偽りの島に取り残されたままで……。
ルヴィ・カーマの導きで、マークニヒトに乗った総士。 だが、過去と共鳴したはずの彼は、ニヒトに眠る憎悪の思念と、激情の変性意識に飲み込まれ暴走する。 「こんな島、全部壊してやる!」 駄々をこねる子供のようにむき出しの敵意をやみくもにぶつける総士を、零央たちは軽くいなす。 その様を美羽は悲しく見つめ、ひとり立ち尽くしていた……。 予想もしていなかった総士の変化に、不満を募らせる島民たち。 総士を正しく導き、島民の理解を得るため、史彦とルヴィは対話の道を選ぶ――
南アメリカ・独立人類軍バミューダ基地。 赤く輝く月の下、攻撃を受け破壊し尽くされた軍港に、ベノン軍母艦オリンポスが停泊していた。 艦内部の玉座にいるのは、軍服をまとった金髪碧眼の青年。 その傍らにはマリス・エクセルシアと、新たな身体を作り上げたマレスペロの姿もあった。 青年は、艦隊を動かし海神島に総攻撃をかけると宣言するが、マリスは島を滅ぼす前に今一度、総士を説得したいと願い出る……。 未だ自分が何者なのかわからずにいる総士。 彼と接触を図ろうとするマリスの真の狙いとは……。
マレスペロの絶対停止領域に捉えられた海神島。 アルヴィスは脱出の方法を検討するがシミュレーションの結果は芳しくなく、純粋ミールである〈アルタイル〉のみが大気圏外の敵に対抗しうるただひとつの希望であるとの結論に達する。 総士は竜宮島の位置を探るため、再びマークニヒトに乗る機会を与えられるが……。 パイロット達の教え、千鶴が成し遂げた偉業、美羽の覚悟、竜宮島と島民が築いてきた平和と苦悩の歴史。 それらを学び、吸収し、感じ取ったとき、総士の中で新たな気付きが芽生える――
艦底からアショーカの守りを打ち消し、CDCへの侵入経路を確保したマリス。 そのマリスを急襲する総士。 かつての親友と決着を付けたいという気持ちと、マリスの能力が島の防衛を危うくしているという核心が彼を駆り立てる。 一方、陸上では、千鶴によって命を繋いだ史彦が、えぐり取られた空間を悲痛な面持ちで見つめていた……。 ベノン軍の奇策とも言える破壊工作で島が沈みかける中、予定されていた目覚めの時が近づく。 その器は島に何をもたらすのか。
激しい戦闘により、多くの犠牲者を出した島には、重苦しい空気が満ちていた。 流れ着いた沢山の遺品が回収され、葬儀場には幾人もの遺影が並べられた。 それらは皆、誰かの家族であり、恋人であり、友だった。 悲しみをこらえ、現実を受け入れる苦しみに向き合おうとする島民たち。 遠見家では、耐えがたい喪失感を抱えて自室で塞ぎ込む真矢と美羽を元気づけようと、総士がひとりキッチンに立っていた……。 外の世界から来た少年の真っ直ぐな想いが、凍り付いた人々の心を溶かしていく。 傷付いた島が導き出す次の選択とは――
第二次L計画が実行に移された。 かつてのL計画は、Lボートを囮とし、島がフェストゥムに発見されるまでの時間を稼ぐ陽動作戦だったが、第二次L計画は島そのものを囮に少数の要員がLボートで竜宮島をめざす、いわば希望の作戦であった。 だが、ベノン軍は島を迂回し、迷うことなくLボートに照準を合わせ追跡してきた。 「なぜだ……なぜ何もかも読まれる」 部隊はただちに作戦行動を中止し帰島を試みるが、すでにボートは無数の敵に囲まれ、身動きできない状態となっていた……。 竜宮島への道筋が見えたその瞬間、絶たれる希望。 分断され、危機的状況に陥る派遣部隊。 その混乱の中、それは突然、訪れた……。
マレスペロが海神島の追跡に使っていた手口は、人間の感情と盲点を利用した巧妙なものだった。 美羽と総士の指摘で真相を知ったアルヴィスは、その仕組みを逆手に取り、マレスペロらの目を欺きながら竜宮島をめざす第六次蒼穹作戦を立案する。 一方、マークニヒトのザルヴァートル化という想定外の出来事によって一時撤退を余儀なくされたマリスたちは、彼らの信じる平和な世界を実現するため、今度こそ島を消滅させようと決意を新たにしていた……。 ついに訪れた決着の時。 島民の願いはただひとつ。故郷〈竜宮島〉へ帰ること。 それは可能性の地平線に続く、最後の希望――
マークレゾンの苛烈な攻撃にさらされた島のファフナーは、反撃の糸口すらつかめず、戦局は膠着する。 一騎はレゾンの撃砕よりも美羽の護衛を優先し海中へと潜るが、そこにはアレスの力を写し取ることに執念を燃やすレガートがいた。 同じころ、海底では美羽と総士が島のシールド圏内に到達し、アルタイルまであと一歩のところまで迫っていた。だが、その行く手をマリスが阻み……。 大切な人、大切な場所を守りたい。 同じ思いを抱きながらも、立場の違いから対立し、争い続ける人々。 永遠に終わらない悲劇の連鎖を断ち切るため、美羽と総士が選択した未来とは――
美羽が選んだ祝福が、世界に降りそそぐ。 フェストゥムたちは群となって天へと昇り、赤い月を覆い尽くす。 奇跡を目の当たりにした人々は皆一様に動きを止め、感嘆の言葉を漏らす。 「こんな未来が…あったなんて…」 あの日、2人の少年が導こうとした未来。 彼らの願いは次の世代に引き継がれ、そして、誰も想像すらできなかった世界へと繋がっていく……。 対話と争い、共存と排他、長きに渡る人類とミールの歴史は、今、転換期を迎える――