はるか遠い異世界の魂が、現代の新宿に「四乃山ポルカ」として転生した。ただ、その転生した体には、喉に致命傷が…。しかも、その傷をつけた殺し屋・崎宮ミサキに、暗殺に失敗したと勘違いされ再び襲われることに。なんとか撃退し、自身にかけられた暗殺指令を解くことに成功したポルカは、新宿を根城にした裏社会の「仲介屋」・倉木リサの助力を受け、ミサキや情報屋の繰屋匠を仲間とし、夢だった「平穏な暮らし」を目指す。しかしこのポルカの「転生」は、様々な人々に波及する。待ち受ける、裏社会の「何でも屋」・レミングス、謎の放火犯・火吹き蟲、そして超絶奇術師・怪人ソリティア――「厄ネタ」と呼ばれる超常的な力をもつ犯罪者達と、それを追う新宿署第三資料編纂係、通称「三纂」の刑事。そして「四乃山ポルカ」の生い立ちと、その親族達。さらに、出会うハズのない元いた世界の滅びた帝国の面影にまで、ポルカは巻き込まれていく。
■キャスト
四乃山ポルカ:榊原優希
崎宮ミサキ:水瀬いのり
繰屋匠:内田雄馬
岩野目ツバキ:江口拓也
荒瀬耿三郎:岡本信彦
倉木リサ:種﨑敦美
雷小幽:福圓美里
四乃山呂算:山路和弘
四乃山小夜:大地葉
阿字城イズナ:大久保瑠美
一ノ瀬古瑠斗:長谷川育美
合川咲姫:白石晴香
■スタッフ
原作:成田良悟 / 藤本新太(掲載「ヤングガンガン」スクウェア・エニックス刊)
監督・シリーズ構成:小野学
副監督:大隈孝晴
助監督:北井嘉樹
キャラクターデザイン:阿部恒
脚本:小野学
菅原雪絵
冨田頼子
音響監督:山口貴之
録音スタジオ:HALF H・P STUDIO
音楽:F.M.F(奈良悠樹・eba・うたたね歌菜)
アニメーション制作:GEEKTOYS
はるか遠い異世界――世界を救うため、「災厄潰し」と呼ばれる英雄シャグルアは希代の死霊使い(ネクロマンサー)「屍神殿」に立ち向かう。熾烈な戦いの末にシャグルアが屍神殿を打倒したかに見えたその時、魔術が発動し周囲は光に包まれる。その瞬間、魂は遠い異世界へ転移し現代の新宿で「四乃山ポルカ」という少年の体で目覚めていた。喉を切り裂かれ、殺害されたばかりの体で新宿の街をさまよっていた彼は、一人の少女に救われる。崎宮ミサキと名乗ったその少女と対峙しているうちにポルカの記憶が徐々に蘇ってくる。四乃山ポルカを殺害したのは目の前の少女、「崎宮ミサキ」だった。再びポルカを殺そうと、彼女は襲いかかってくる。
平穏を求めて現代新宿に転生を果たした死霊使い「屍神殿」。四乃山ポルカの体に転生した彼は、襲い掛かってきた少女・崎宮ミサキを退けようとして意図せず殺害してしまう。その光景をドローンで撮影していた「情報屋・繰屋匠」の知らせを受けて「仲介屋・クラリッサ」がポルカの元を訪れる。彼女たちが見たのは、絶命したミサキの体を魔術によって「直そう」としているポルカの姿だった。予想外の光景に困惑しポルカに武器を向けるクラリッサの部下たち。一触即発の空気の中、サイレンの音が鳴り響く。子供たちが火事に巻き込まれていることを知ったポルカは救出のため火災現場のビルへと飛び出していく。
「拷問ビル」に住むことになったポルカは、仲間となった繰屋匠と崎宮ミサキとともに、どうすれば平穏に日々を過ごすことができるか模索する。そこへ「殺し屋殺し」のミサキへ仕事を依頼したいという男が訪れる。依頼人は以前ミサキが消した殺し屋の陣場の仲間たちを始末してほしいと言うが、それは陣場の仲間の仕掛けた罠だった。突如として待ち伏せしていた男たちの襲撃を受けるミサキ。なんなく襲撃をかわしたミサキだったが、背後から依頼人の男の放った銃弾に身体を撃ち抜かれてしまう……。一方、ポルカの引き起こした異常な事件を捜査するため、新宿署生活安全課第三資料編纂係――通称「三纂」の刑事たちが動き始めていた。
表沙汰にしがたい、公表しても信じてもらえないような奇怪な犯罪――新宿署生活安全課第三資料編纂係、通称「三纂」はそんな事件を専門に取り扱っている。係長「岩野目ツバキ」を始めとする三纂メンバーたちはそのような犯罪者のことを「厄ネタ」と呼び、未解決事件を追い続けている。そんな三纂の捜査対象に新たに加わったのが、火災現場に現れた骨、「固結び」された男たち――ポルカの引き起こした事件であった。三纂の刑事「荒瀬耿三郎」はポルカとミサキに出会い、ミサキが「固結び」事件の関係者であることを見抜く。一方クラリッサを疑う岩野目はバー「夭桃孤狼」で彼女を問い詰めていた。そこにポルカとミサキが訪れてしまう。
暗闇の中、レミングスと対峙するポルカたち。レミングスはミサキを連れ去ろうとするが、岩野目たちに魔術を見られること、レミングスと対決することで平穏が遠のくことに葛藤するポルカは即座に動くことができない。ミサキを見捨てて逃げるべきだと考えるポルカだったが、逃げ去ろうとするレミングスに魔術を行使しミサキを取り戻す。レミングスを退けたポルカは、平穏を得るためには力が必要だと悟り、5年前に死んだ「細呂木」という人物の霊をシャーペンに憑依させ、ともに占いの仕事を始めることを決意した。匠や細呂木の協力により順調に稼ぎをあげる占い屋に、「四乃山華月・紫月」の双子の姉弟が訪れる。
ミサキを伴い四乃山家を訪れたポルカは「四乃山尊」ら四乃山家の親族たちと出会う。ポルカの父である四乃山呂算に、ポルカ本人でないことを見破られ問い詰められるポルカだったが、華月と紫月の身に危機が迫っていることを察知し救出に向かう。二年前、親戚の五郎の命を受け二人の姉・涼火を殺害した「火吹き蟲」が、今度は双子の命を狙っていたのだ。炎に追いつめられた双子だったが、ミサキとポルカが救出する。警察に捕らえられた火吹き蟲の乗せられたパトカーの天井に炎の文字が刻まれていく。それは「本物の」火吹き蟲が現場に残すメッセージだった。怯える「偽の」火吹き蟲の身体が炎に包まれていく。
ポルカは自らが転生した異世界の人間であることを呂算に打ち明け四乃山家を去った。東京拘置所では「厄ネタ」の一人である愉快犯「怪人ソリティア」に岩野目と荒瀬が面会し、「火吹き蟲」について聴取を行っていた。ビル火災の犯人が偽物の火吹き蟲であることを見抜いていたソリティアは、本物の火吹き蟲が現れたという知らせを聞き、岩野目と荒瀬の目の前で姿を消し脱獄を果たす。ラジオやテレビの放送を乗っ取り、自らが脱獄したという事実を知らしめ、一週間後に新たな騒動を巻き起こすことを予告したソリティアは、本物の火吹き蟲を呼び出し対峙する。その夜、ポルカの元に、突然四乃山小夜が付き添いの小幽を連れて現れる。
ポルカの元に部屋を焼け出された「四乃山小夜」がやって来た。彼女は、今日からポルカの住処であるこの拷問ビルに住むという。それは、四乃山の身内とその護衛を派遣することでポルカたちに便宜を図ろうという呂算の計らいでもあった。小夜と、付き添いの「小幽」が加わり、ポルカたちの新たな生活が始まる。しかし、ポルカの正体が偽物であると知っている小幽は心酔する呂算の命とはいえポルカをも護れと言われたことに納得していない。その正体を暴こうと、小幽は夜な夜なポルカたちの会話を盗聴していた。一方、事件の渦中にポルカがいることに気づいた岩野目は、ポルカの占い屋を訪れ自分を占うようポルカに依頼するのだった。
ポルカは無難に岩野目の占いをこなしていた。しかし、細呂木が紙に書きつけたメモを見た途端に岩野目の態度が変わる。紙に書かれていたのは、とある人と岩野目だけしか知りえないはずのマークだった。岩野目はクラリッサを問い詰める。占いで託されたメモの内容を唯一知りうる人物――細呂木は生きているのではないかと。生前は監察官として岩野目と仕事をしていた細呂木は、占いを利用して岩野目に重要な情報を託したのだった。一方ソリティアもまたそのマークにたどり着き、動く。犯行予告当日、新宿の空に無数の飛行船が浮かぶ。機体に描かれたマークを見てポルカは驚愕する。それは、ポルカがいた世界の――滅びた帝国の国章だった。
ソリティアが飛行船に描いてみせたマークは、ポルカの大切な思い出である帝国の紋章、そして細呂木が岩野目に託した重要な手がかりである記号に酷似していた。飛行船上で狙撃されたソリティアは、警察内部に謎の組織が入り込んでいるとネット上の動画で訴える。動揺するポルカは小夜に転生や帝国の話を聞かれてしまい、全てを打ち明けることとなる。帝国のマークを穢す者を見過ごすことはできないというポルカ。情報をつかむため、警察にハッキングをしかけた匠は、岩野目が細呂木に関する情報を追い求めていることを知る。そして匠のハッキングを察知したソリティアは、新宿にある占い屋の存在を知るのだった。
変装して占い屋を訪れたソリティアの質問に答え、ポルカは飛行船のマークには横線を一本足す改変が加えられているという事実を述べる。マークの真実の姿を知るポルカは何らかの形で自分を狙撃した組織にかかわっていると考えたソリティアは、手がかりを得るため、深夜、拷問ビルの屋上に侵入するもすぐに襲撃を受ける。襲撃したのは侵入者に気づいた小幽だった。その頃目覚めたポルカは壁に炎で刻まれた火吹き蟲のメッセージを目にしていた。しかも直接電話をかけてきた火吹き蟲は「貴様もサバラモンドの落とし子か」とポルカに問いかける。一方、小幽とソリティアが交戦していることを知った四乃山尊は、混沌の場を制圧すべく動き始める。
力を用い、火吹き蟲を探し出そうとしたポルカは屋上にいるソリティアと小幽の存在を察知する。交戦を続けていた小幽とソリティア、その二人の間に割って入るように突如としてレミングスが降り立った。一方ビルの前には「火の用心」と書かれたレインコートを着た女子高生が携帯電話を手に佇んでいた。元いた世界の大事な思い出が汚されている。そう感じたポルカはこの場を制圧するため魔法陣を発動する。異変を感じたソリティアは煙幕を張りこの場からの脱出を図る。そこには煙の中に浮かび上がったのは無数の手――ポルカの死霊術「見えざる手の群れ」があった。その姿はその場にいた者たちの目にとまり、更なる混乱を巻き起こすこととなる。
ポルカの死霊術『見えざる手の群れ』の姿は、配信者の生放送に映り込み瞬く間に拡散する。結果、多くの野次馬が拷問ビルに押し寄せる事態に。そんな中、火吹き蟲が残した『サバラモンドの落とし子』という言葉の意味を匠に問われたポルカは、転生前の世界に存在した帝国の宮廷魔術師「アリウス・サバラモンド」について語る。自分が置いてきた前世が、何らかの形で現世と繋がっているとしたら…その向き合い方に苦悩するポルカ。そんな彼の前に、「週刊ドライ」の記者「胡蝶・エイトポート」と名乗のる女性が取材を申し込んでくる――…。一方、渋谷の仲介屋「氷黒」は、「阿牙倉百矢」と接触し、新宿で暗躍を始めていた。
占い師・屍神殿の取材にやってきた胡蝶が連れてきたのは「夭桃狐狼」パーテンダーの裏井だった。しかも、その背後には阿牙倉百矢に殺害された同僚のバーテンダー西田の霊の姿が。更にポルカの占い屋に、本庁の刑事たちが突如として押し入ってきた。このビルに強盗犯が潜伏しているとのタレコミを受けたと言う彼ら。その被疑者として差し出された写真には何故か西田が写っていた――。一方、本庁の強引な動きを訝しんだクラリッサと岩野目は、拷問ビルで起きた『5年前の事件』のことを回想する。そして、その事件の当事者である細呂木は、ビルの地下を調べるようポルカに促す。奇妙な一致の先に、地下室でポルカが見たのは……。
氷黒が運び込んだ西田の死体は、本庁の警官たちの目に触れる寸前でポルカによって隠され事なきを得た。そしてその警官と入れ替わりでやってきた岩野目と荒瀬。二人から逃げるように帰宅した匠は、今度は阿牙倉百矢と氷黒に襲撃されてしまう。西田の死体をどうやって隠したのかと問う氷黒。中々答えようとしない匠を痛めつけ、生き残るには協力する以外に選択肢はないと氷黒が脅した時、部屋の窓ガラスが突然爆ぜる。飛び込んできたのは匠を救出に来たミサキだった。しかしミサキは百矢の刀で身体を切断されてしまい、氷黒は匠を眠らせどこかへ連れ去ってしまう。だがその時、部屋に取り残されたミサキの身体には、ある異変が起こっていた。
氷黒は匠を拉致し、隠された西田の死体の行方を話すよう執拗に迫る。更に「協力しないなら匠を殺した上で小夜を狙う」とも。だがその時、その言葉を聞いた小幽が匠を救出。四乃山に仇なす者は敵だと、百矢に対峙する。しかも百矢が確かに殺したはずのミサキまで現れ、氷黒は『世の理を超える何か』を感じとり戦慄する。百矢に対し共闘するミサキと小幽。戦いの中、ミサキは小幽にある提案をして――…。一方、細呂木はポルカの力を借り、本庁にいる岩野目と会話を試みる。そして自らが絞り込んだ警察内部に巣食う病巣、その数人の「容疑者」を告げた。更に同じ頃、本庁の警視総監室には、何故かソリティアまで現れ、混迷は深まっていく……。
本庁の警視総監室で警視総監・鷹巣と対峙する、怪人ソリティア。だがそこで偶然、警視総監自らが厄ネタである雑貨殿と繋がっていたという真実を知る。しかも雑貨殿から届けられた「商品」は、「警察内部に潜む病巣」――氷黒とも繋がる人物・幅木の存在だった。その情報はソリティアにより岩野目に伝えられ、幅木と岩野目は相対する。岩野目は幅木が氷黒との電話で口にした「サバラモンド」とは何なのか問いつめるも、そこに何故か虚ろな目をした警官たちが押し寄せる事に。そして幅木を『落とし子』だと指さし襲い掛かる。また、百矢との激闘を終えたミサキたちの元にも、新たな「阿牙倉」の影が迫り――。
「火吹き蟲」に憑依された警官たちに追い詰められる幅木。そんな中でも幅木を確保しようと奮闘する岩野目と荒瀬の元に、三纂のメンバーたちが応援にかけつける。だが幅木は、謎の粉薬を服用し異常な力を引き出し逃走。その先で、帝国の紋章の描かれたマントを身にまとった謎の青年と合流する。幅木は青年が自分の逃亡に助力してくれたのかと感激するが、「本当は見捨てるつもりだったが、ある人物に頼まれたからだ」と告げられる。困惑する幅木の前に現れた一人の女性。それは幅木と自身との驚きの関係を告げ、その拳に力を込める――。一方で幅木の情報は、因縁浅からぬ倉木リサの耳にも届く。そして彼女はポルカを従え、現場へと向かい……。
倉木リサはポルカに、自身の復讐のため狙撃し殺害させた幅木の霊から更なる情報を引き出すよう要請した。その中で幅木の過去の非道を知ったポルカは激怒、感情に任せて霊を消滅させようとする。だがその時、何者かの手が押しとどめた。それはポルカが従える霊の一つであり、ポルカと深すぎる業を共有する「陛下」と呼ばれる存在だった。入り乱れる前世の事象。そしてポルカは自身の望む「平穏に暮らせる世界」の為、この現世にもっと深くまで踏み込むことを決意するその頃、阿牙倉とミサキたちのバトルから逃げ出した氷黒は、その先で「火吹き蟲」に捕らえられる。しかし身柄を拘束された彼の前に現れたのは意外な人物で……。
阿牙倉とのバトルの中で、義手を失った小幽。ポルカはそんな小幽に、新たな「腕」として「傀雷竜」の右腕を差し出した。そしてポルカは、自分とその仲間を狙う帝国の紋章に関わる組織に対して備えるために、小幽に『同盟』を結び力を貸して欲しいと申し出る。しかし組織もまたポルカへ近づく。ポルカの占いの館を訪れたシヴィルと名乗る男は、顔も見えないほどびっしりと死霊に覆われた異様な姿をしていた。衝撃を受けたポルカは、彼を探るべく魔力を行使し彼の魂に手を伸ばすが……。また火吹き蟲は捕らえた氷黒をソリティアに託し、「サバラモンドの落とし子」をその組織ごと曝け出させるべく動く――。
ポルカの占いの館を訪れたシヴィルと名乗る謎の青年と、付き従うルルとアラハバキ。ポルカの転生前の異世界の匂いを纏う者たちの来訪は、更に四乃山尊の命で拷問ビルを監視していた太貝の乱入まで引き寄せる。そして突然の乱戦で魅せるシヴィルの力。それは「異世界の一人の人物」の姿と色濃く重なり――。その頃、火吹き蟲は自らが敵視する「サバラモンドの落とし子」を焙り出すべく、その末端の構成員である氷黒の処遇をソリティアに託す。その結果、「サバラモンドの落とし子」に関する情報提供を求める動画が、予想もしない形で瞬く間に拡散されることに。そして四乃山、阿牙倉、三纂もまた、それぞれの思惑を抱え動き出す。
シヴィルの元に、「サバラモンドの落とし子」で「長老」と呼ばれる組織の幹部からの刺客が送り込まれる。組織もまた一枚岩ではなかった。混沌とする状況の中でシヴィルは、ルルの能力――異世界の「精霊」と同一かのような力により、敵対派閥の戦闘員を一掃。次に、対立する「火吹き蟲」を一掃すべく動き出す。そしてまずは手始めに、「サバラモンドの落とし子」に関する情報提供を求めるソリティア自身に接触を試み――。一方ポルカはシヴィルが去った後、「本物のポルカの魂」を宿したぬいぐるみ(真ポルカ)が攫われたことに気づく。真ポルカを奪還すべく四乃山との共闘を決めたポルカは、シヴィルたちと再び相対するべく準備を進める。
「サバラモンドの落とし子」と「火吹き蟲」の因縁。次々に明かされる真実は、ポルカの転生前の異世界と現世を結び付けていく。その頃、岩野目たち三纂もまた、独自のルートで「火吹き蟲」へと辿り着く。そしてシヴィルは、再びポルカの元へ。ポルカとならこの世界でも自らの渇きを満たすことが出来る――そう信じるシヴィルは、異世界のとある魔術師の記憶と人格を転写されるための「器」として産み落とされた存在だったのだ。この世界に相応しくない自分達二人で、世界を変えてしまおうとポルカを誘うシヴィル。それをポルカが拒んだ時、それぞれの譲れぬ想いを懸けた「新宿大戦」の幕が開く。
ルルとミサキ。小幽とアラハバキ。それぞれの激闘は、ポルカに一つの決意をさせる。シヴィルの暴走を止め、身体を本物のポルカの魂に返す――この世界の異物である自分が全てを引き寄せてしまったのであれば、同じく全てを背負い独りで消えよう、と。だが新宿には、既に多くの想いが流れ込んでいる。二人を異物と見定めた「火吹き蟲」は、この街ごと燃やし尽くすか否か、その趨勢を見定める。岩野目たち三纂は、その暴挙から街を守るべく奮闘する。そして何より「友」は、そのありったけの感情をポルカにぶつける。「新宿大戦」その結末は――。