魔法の国の掟によって、壷の中で百年の眠りについていたハクション大魔王たち。しかしその途中で、アクビだけが人間界に出て修業をすることになった。新しく魔法の壷を拾ってアクビを呼び出したのは、内気な小学生の女の子ころん。アクビは魔法で彼女の願いを叶えようとするのだが、いつも失敗ばかりで騒動に発展してしまう。
■キャスト
谷井あすか
野川さくら
小林由美子
早乙女美帆
山本圭一郎
柳沢真由美
伊藤英次
大平透
■スタッフ
原作:タツノコプロ
企画:九里一平
エグゼクティブプロデューサー:吉田健二
企画構成:タツノコプロ企画室/徳山光俊、相沢智弘
文芸担当:本田雅也
キャラクター原案:吉田すずか
キャラクターデザイン:相澤昌弘
サブキャラクターデザイン:上北実那、上北希沙
美術監督:河野次郎
音響監督:鈴木祐子
撮影監督:松山正彦
ジェネラルプロデューサー:添田弘幸、成嶋弘毅
プロデューサー:吉田正煕
監督:大久保富彦
総監督:笹川ひろし
制作・著作:タツノコプロ、キッズステーション、AP
緊張するとあくびをしてしまう癖を持つ眠田ころんは、転校初日の自己紹介であくびをしてしまい、大失敗。おまけに帰りには道にも迷い、すっかり落ち込んでしまう。そんな中、ころんは偶然拾った壷の前であくびをし、壷の魔人・アクビを呼び出す。アクビは主人である、ころんの役に立とうと奮闘するが、何をやっても上手くいかない。
サンタの存在をめぐってカレンと口論となるよしあ。引くに引けなくなったよしあは、カレンのクリスマスパーティにサンタを連れてくると宣言する。なんとかよしあの力になりたいころんだったが、アクビの魔法でもサンタを出すことはできない。パーティ当日、現れたのはサンタの格好に扮したよしあだった。カレンにも見破られ、会場から逃げ出すよしあ。その後を追うころんとアクビにも、何もしてあげることはできない。
学校へ行ってみたくてたまらないアクビ。
ころんの言い付けを破り、大人に変身して学校へ潜り込んだものの、案の定、騒ぎとなる。
一方、今日の家庭訪問のことを両親に伝え忘れて困っていたころんは、アクビをつかまえ、外出した両親を連れ戻すように頼む。初めての街で右も左もわからないアクビは再び騒動に巻き込まれ、正夢たちを探すことができない。
ころんに一目惚れした手久野だったが、なかなか思いを伝えることができない。そんなある日、壷ヶ池の橋の下を、五時ちょうどにボートでくぐったカップルは幸せになれるという言い伝えを耳にした手久野は、ころんとの恋を成就させるため一計を案じる。ペットロボット・テクノブルとのタッグで、計画は成功しかけたかにみえたが……。
苦手なマラソンから逃れるため、入れ替わったアクビところん。アクビはころんに成りすまし学校へと向かうがころんは気が気ではない。こっそり様子を見に行ったころんであったが、楽しそうに走るアクビの姿に複雑な思い。マラソンの途中で元に戻ったころんは、自分の力で走ることを選ぶ。
まじめで教育熱心と評判の藤原エリカ先生には、コスプレ趣味というもうひとつの顔があった。アクビの存在に疑問をもったエリカは、乙女座の使者・スーパーエリカの衣装を身にまとい、眠田家を訪れる。そこで偶然アクビを呼び出してしまったエリカは、アクビの魔法で本物のスーパーヒロインとして街の不良たちを更正させる。
原稿を取りに来た日野から隠れるため、トイレに隠れる正夢。しかも、お隣の馬子が悪霊払いの専門家を連れて乗り込んできたため、眠田家は複雑な状況に陥る。始めは悪霊払いの横暴な振る舞いにもじっと耐えていたうつらだったが……。
もうすぐアクビの千十回目の誕生日。魔人は千十歳で成人になることを知り、ちょっぴり嫉妬したころんの一言でアクビは街中の掃除を始める。しかし、その途中で突然、魔法の力が弱まり、アクビは倒れてしまう。責任を感じたころんの寝ずの看病もあって、翌朝元気を取り戻すアクビ。
ころんには前の学校に、三宅マサヒロとういう片思いの相手がいた。そのことを知ったアクビはころんを喜ばせようと、魔法で三宅を出す。しかしそれをよしあに見られてしまったことでころんとアクビは大喧嘩。ころんの言った一言が、アクビをひどく傷つける。
ようやくころんが謝る気になったときには、アクビは壷ごと消えていた。
アクビの壷を載せたトラックは東京のテレビ局へ。そこでアクビはアイドルの新島なな子と知り合う。忙しい毎日に疲れていたなな子の願いを聞き、入れ替わったアクビは、なな子の代わりにアイドルの多忙な一日を過ごす。一方、壷を探して街をさまようころん。収穫もなく家に帰ってみると、テレビのなな子のインタビューに、なんとアクビの壷が映っていた。
アクビを追って東京へ向かうころん。しかし、ころんがテレビ局についたときには既に、アクビの壷は人手に渡っていた。アクビの次なる主人は売れない手品師ミスターテンドー。アクビの魔法のお陰で一躍スターになったテンドーだったが、これからと言うときに壷をなくしてしまう。
壷を持ち帰ったのはテレビ局のディレクター。その娘・まゆみがアクビを呼び出すが、まゆみには願い事がひとつもない。困っているアクビを見て、逆にアクビをころんの元に返すことを申し出るまゆみ。白山学園の制服を手がかりに恋ヶ窪へと帰ってきたアクビだったが……。
電車に乗ったままどこかへ消えてしまったアクビの壷。手がかりを失いすっかり落ち込んだころんは、懐かしさのあまり以前住んでいた街を訪れる。そこで憧れだった三宅に会うころん。
登校途中に美少年とぶつかったころんは、その場にブレスレットのようなものが落ちているのを見つける。社会の授業で壁新聞を作るため街に取材に出たころんは、そこで朝の美少年を目撃する。アクビの力を借りて後を追うが、またしても見失ってしまうころん。一方、謎の美少年の噂はクラスの女子たちの間でもすっかり話題になっていた。それぞれの思いを胸に謎の美少年を追う女子たち。
“百年の眠り”により人間界へ行くことを禁じられているはずのハクション大魔王は、大々魔王が居眠りをしている隙についに壷の外に出てしまう。偶然呼び出した手久野の願いは‘ころんとのツーショット写真’。一方、アクビたちは大々魔王からの知らせを受け、大魔王が逃げ出したことを知る。
近頃、藤原先生がスーパーエリカのコスプレをしないことを不審に思ったころんは理由を聞くが、藤原先生の口は重い。そんなある日、クラスの花壇が何者かに荒らされる。犯人探しをめぐって真っ二つに分かれる5年1組の男子と女子。事件を解決しようと夜中、校庭に張り込んでいたころんとアクビは、逆に花壇荒らしの犯人たちに捕まってしまう。
白馬が学校に見慣れないペットロボットを連れてくる。それはなんとブル公の後継機、テクノブレンダーだった。性能の面で上をいくブレンダーに立つ瀬のなくなったブル公は、黙って手久野の元を去る。一方、全ての面で完璧かに思えたブレンダーだったが、優秀すぎるあまり勝手な行動をとるようになる。
新作の結末に関して意見の対立した正夢とうつらは、コンビ解消寸前の大ゲンカとなる。
何とか仲直りさせようとするころんだったが、ふたりはとりつく島がない。困ったころんはアクビと共に両親が付き合い始めたころよく行っていた恋ヶ壷公園を訪れ、そこで思い出のベンチを見つける。
アクビの人使いの荒さに辟易としていたモンモンはある日、お使いの帰りに雨で足止めを食い、ころんのクラスメイトの千代田に拾われる。すっかり千代田になついたモンモンを見て落ち込むアクビ。見かねたころんは、千代田を傷つけずにモンモンを取り戻すため、よしあに相談する。
夏休みになんの予定もない5年1組の生徒たちは、カレンの強引な誘いもあり、尾上家の別荘へと赴く。しかし設備がそろい過ぎてキャンプの醍醐味に欠けると感じたころんたちは近くのキャンプ場へ。そこへ運悪く台風がやってくる。別荘に一人残ったカレンが心配になりキャンプ場の様子をのぞきに行ったところ、危うく遭難しそうになる。
夏休みのある日。ひとりサッカーの練習をしていたよしあは年上の女性と出会う。この女性の関心を惹くため、自分はサッカーチームのキャプテンであると口走ってしまうよしあ。アクビの魔法でチームメイトを揃え、何とかごまかせるかに思えたとき、魔法が解けてしまう。
幼い頃、ころんが大切にしていたブタのヌイグルミ・ブタ子ちゃんに魔法で生命を与え、ころんを喜ばせようとするアクビ。しかしアクビの魔法が未熟なためにブタ子がどんどん大きくなってしまう。アクビはころんに内緒でブタ子を裏山に隠すが、ブタ子を覆っている布は破れ始め、どうすることもできない。
よしあに強引に誘われ、ひと気のない屋敷を探索する羽目になるころん。そこにはアンドレを追ってやってきたアクビも来ていた。ふたりはアンドレの口から、屋敷には夫を亡くした老婦が独りで住んでいることを知る。最近、元気のない老婦を魔法で元気づけてやってほしいと頼むアンドレ。しかしそこへアンドレを探しに馬子がやってきて、アンドレを返す返さないで老婦を大ゲンカになってしまう。
文化祭の準備に追われるころんの代わりに、親戚の女の子・ともちゃんの面倒を見ることになったアクビは、慣れない子守りにすっかり手を焼く。寝かしつけようと子守唄を歌おうにも、幼い頃、母を亡くしたアクビには子守唄が思い出せない。ころんに会いたがるともちゃんをつれて学校へと向かったアクビは、よそ見をした隙にともちゃんを見失ってしまう。
ころんも難しい年頃。時には母の干渉がわずらわしく感じるときもある。「鳥は自由でいいな…」そんなころんのつぶやきを願い事だと勘違いしたアクビはころんを鳥に変身させる。
飛べることの喜びにすっかり心奪われ、ついつい遠くに来すぎてしまうころん。
「今度、ご主人様の命令に背いたら、二度と壷の外には出さん」――魔人としての心得を忘れた最近の行動を、大々魔王にたしなめられたアクビは、一転、ころんに対して従順に振舞うようになる。そんなある日、事件が起こった。劇で主役をやる予定だったカレンが怪我をし、ころんに主役が回ってきたのだ。勇気の出る魔法をかけてくれ――ころんにそう頼まれたアクビは、それが本当にころんのためになるのか判らず悩む。