超人ワールドグランプリの新たな伝説が始まる!
数十年ぶりに復活した超人ワールドグランプリだったが、バロン・マクシミリアン率いる残虐超人たちの乱入で、本戦を前に大会は中断してしまった。バロン一味は万太郎たち新世代超人によって倒されたものの、大会が再開される様子はない。それでもいつか戦いの時が来ると信じて、正義超人たちはトレーニングに励んでいた。そして、ついに超人ワールドグランプリの再開が決定し、本戦であるグランドファイナルの組み合わせが決定した。厳しい予選を勝ち抜いた12人の超人は、栄冠を目指して闘志を燃え上がらせる。その中にはケビンマスクやジェイドといったよく知られた強豪超人はもちろん、イリューヒン、ヒカルドといった未知の実力を秘めた超人たちも多くいた。万太郎は強敵たちを倒し、親子二代にわたる超人ワールドグランプリ優勝の栄誉を手にすることができるのか!?
『キン肉マンⅡ世』の続編。前作で予選まで終了していた超人ワールドグランプリが、いよいよ本戦に突入する。アメリカで先行放映され、いわゆる逆輸入という形を取った珍しい作品であり、海外の基準に沿って製作されているのも興味深い。ミートの額の「にく」の文字が消されているなど、キャラクターの設定やデザインに若干の違いが見られる。
■キャスト
キン肉万太郎:小野坂昌也
ミート:吉田小南美
ケビンマスク:置鮎龍太郎
テリー・ザ・キッド:森川智之
セイウチマン:山崎たくみ
ガゼルマン:増谷康紀
キン肉マン:古川登志夫
テリーマン:田中秀幸
ロビンマスク:郷里大輔
ラーメンマン:小野健一
バッファローマン:乃村健次
■スタッフ
原作:ゆでたまご
プロデューサー:上田和成、鷲尾天
製作担当:松坂一光
シリーズディレクター:小村敏明
キャラクターデザイン:佐藤正樹
総作画監督:袴田裕二
美術監督:山口昌恭
色彩設計:沢田豊二
編集:後藤正浩
録音:池上信照
音楽:渡部チェル
悪行超人の乱入により、トーナメント本戦を前に一時中止となってしまった超人ワールドグランプリ。だが、トレーニングに汗を流していた超人たちの前に謎の女性が現れ、再開が近いことを告げる。彼女の言葉通り、間もなく超人ワールドグランプリは再開されたが、万太郎だけが本戦の組み合わせ抽選会場に呼ばれなかった。
ついに始まった超人ワールドグランプリ本戦。黒組で行われているプリントマン対デストラクションの試合が超満員なのに比べ、赤組のザ摩天楼対ヒカルドの試合はデパートの屋上で行われ、観客席も閑散としていた。しかし、試合は赤組のほうが先に動く。幼なじみのキッドをセコンドに、摩天楼がヒカルドに挑むが…。
キン肉マンに敗れたベンキマンの仇を討つべく、ウォッシュアスが万太郎に挑む。かつてのベンキマンと同じように、ウォッシュアスは魔境のトイレ流しで万太郎を便器の中へ吸い込んでしまう。一方、膠着していた黒組の試合も大きく動いていた。デストラクションが、プリントマンの巧みな話術に引き込まれ…。
ウォッシュアスの作り出した匂いに、万太郎は引き寄せられてゆく。このままウォッシュアスの便座に腰掛けてしまえば、必殺のウォッシュアス・ペーパーで体を真っ二つにされてしまう…。なんとか正気を取り戻させようと、ミートたちが声をかけるが効果はない。万太郎に正気を取り戻させたのは、カルビの焼けた匂いだった!
超人ワールドグランプリ1回戦最後の試合は、ケビンマスク対チヂミマン。しかし、試合時間になってもケビンは姿を現さない。あわてて探しに行ったクロエは、サウナ室で倒れていたケビンを発見する。聞けば、ケビンはサウナ室を最高温度にして、3時間も指一本で逆立ちしていたという。ケビンの真意はどこにあるのか?
舞台を大阪に変えて、2回戦が始まった。第1試合に登場した万太郎の相手は、バリアフリーマン。いかにも弱そうな対戦相手に、万太郎は余裕の表情だ。思惑通り、試合は序盤から万太郎有利で始まった。しかし老人ボディになったバリアフリーマンに攻撃を加えると、観客から罵声を浴びせられてしまう!
巧みな技を駆使する老人ボディの前に、手も足も出ない万太郎。しかし、本体であるリアルボディには負ける気がしない。ふたたび万太郎は形勢を逆転させるが、観客から老人虐待と野次られて戦意を喪失していく。そしてバリアフリーマンの必殺技・楢山バックブリーカーを食らって、KO寸前まで追い込まれてしまう!
リアルボディであるニルスが、バリアフリーマン誕生の秘密を語る。すると老人ボディのジージョマンは、手のひらを返したかのように本性をむき出しにする。むりやりニルスを封じ込めた老人ボディは、嵐のような連続攻撃で万太郎を苦しめる。苦悶の表情を浮かべる万太郎だったが、観客は一転して万太郎コールを送る。
デストラクション対イリューヒンの試合が、黒組で始まった。序盤はパワーで押すデストラクションだったが、イリューヒンは飛行機に変身して空中戦を仕掛ける。頭部の触角をレーダーにして迎撃するデストラクション。するとイリューヒンは、不敵な言葉を残して姿を消し、見えない攻撃を開始する!
ブロックのような体を利用して、変幻自在に形を変えるブロックス。その攻撃を前にしても、ケビンは余裕の表情を変えない。そこでブロックスは、ケビンの体を覆って動きを封じようとする。ケビンは難なく脱出するが、ブロックスの真意は別にあった。ケビンの形に積み上げられたブロックで、能力をコピーしていたのだ!
ブロックスにコピーされた己の技に苦戦するケビンマスクだったが、突如、不敵な笑みを浮かべ始めた。そして、超人強度で勝るはずのブロックスを圧倒する。今まで正義超人らしい戦いをしていたのを、悪行超人時代の荒々しいファイトに切り替えたのだ。形勢を逆転すべく、ブロックスは最後の変身を遂げるが…。
2回戦最後の試合はジェイド対ヒカルド。試合前、万太郎はジェイドと会って、次に行われる準決勝で戦おうと約束する。そうして始まった試合は、ヒカルドの関節技を警戒したジェイドが、打撃技を中心に攻めてゆく。だが、ヒカルドは巧みに接近し、ついにジェイドを複合関節技でとらえてしまう!
ジェイドとの戦いの途中、ヒカルドのオーバーボディが砕け散る。その中から現れたのは、正義超人とは思えない異形の超人だった。ヒカルドは悪行超人の両親から生まれたが、正義超人の技を習得するため、赤ん坊のころから正義超人のもとで育てられたのだ。両親を軽んじるヒカルドに、ジェイドの怒りが炸裂する!