謎のセールスマン「喪黒福造」が扱う品物は、人間の心。日常に追われ、虚しさやいらだちを抱える人の「心のスキマ」を埋めるのが彼の仕事。いえ、代金は必要ありません。ただし、約束はくれぐれもお守りください。さもないと…。
藤子不二雄Ⓐ原作、ブラックユーモアたっぷりの大人の寓話をアニメ化。1989年からTBS『ギミア・ぶれいく』内にて放送した本作は、人間のもろい本質を切り取ったシニカルな内容とインパクトあるキャラクターで、一大ブームを築きました。
アニメといえばお子さま向け、とお思いのあなた、時にはとびっきり辛口のカクテルはいかがでしょう? 悪酔いなさいませんよう…オーッホッホッホ。
藤子不二雄(A)原作のブラック・ユーモア漫画をアニメ化。人間の本質であるいい加減さ、弱さ、愚かさを描く!
■キャスト
喪黒福造:大平透
■スタッフ
原作:藤子不二雄Ⓐ
監修:鈴木伸一
総監督:クニトシロウ
監督:米谷良知
脚本:梅野かおる
作画監督:岡迫亘弘
美術監督:宮野隆
撮影監督:山田廣明
録音監督:大熊昭
音楽:田中公平
会社課長・頼母雄介(41)は、会社でも家庭でも、周りから頼られてばかり。しかし頼母は、周囲が作り上げた理想像を演じることに疲れていた。そんな頼母の前に、不気味なセールスマン・喪黒福造が現れる…。
教習所でしごかれてばかりで全然上達しないサラリーマン・浦成平一(44)。そんな浦成に、喪黒は「車の個人教授をしたい」と近づく。喪黒が用意した車は高級外車。豪華な車で練習することに恐れおののく浦成だが…。
孤独なサラリーマン・青井達夫(22)に、喪黒は女友達を紹介する。喪黒から渡された写真や録音テープですっかり彼女と付き合っている気分に浸る青井。どうしても彼女に会いたくなった青井は…。
心の奥底でアバンチュールを求めているサラリーマン・磯部錦一(36)は、喪黒から変装セットをもらい、夜の生活を楽しんでいた。変装した男・田辺順吉としての生活にのめり込んでいく磯部に喪黒が持ちかけたのは…。
高層ビルから望遠鏡で下界を覗いていた学生・憂木守(20)は、あるマンションに住んでいる女性に一目惚れする。眺めているだけではどうにもならなくなった憂木は、喪黒の言葉に後押しされて彼女のマンションを訪れるが…。
見た目が地味で売れないイラストレーター・熊井勇(24)をプロデュースすることになった喪黒。そんな時、熊井はひったくり事件に遭遇。彼が有名になるため勇気を出して取った行動とは…。
土地のセールスをしているサラリーマン・佐保民夫(37)は、一件の契約も取れず、仕事をサボって昼間からサウナ通い。ナマケモノのような生活に憧れる佐保は、喪黒からもらったナマケモノの呪術人形を抱き、ますますナマケモノに近づいていく…。
テレビタレントとして売り出し中の坊田進一(21)。彼はホステスの彼女・千子から、結婚してくれないとふたりの関係をバラすと脅されている。千子と別れたがっている坊田のために、喪黒は千子のもとを訪れ…。
銀行員・直木純一(23)は、毎日同じ電車に乗る女性に好意を持つも、声をかけることができないでいた。喪黒はふたりの仲を取り持つため、彼女を直木のアパートへ行かせる。しかし、彼女はある秘密を抱えていた。
競馬に負けて田舎からの仕送りをスッてしまった大学生・中山歩一(20)は、喪黒の予想で大儲けする。最後に大勝ちしてから競馬をやめようと思った中山は、もう一度喪黒に予想してもらうため競馬場で会う約束をするが…。
家賃を滞納して追い出された漫画家・日陰久利(21)の部屋に引っ越してきた喪黒。どこにも行くあてのない日陰に、喪黒は大家に内緒で同居を許すが、「押入れの中で暮らす」という条件をつけ…。
昼休み、喪黒に「白昼夢」というクラブに連れてこられたサラリーマン・中島建一(26)は、ホステスのユーコに一目ぼれ。真昼の快楽にすっかり夢中になった中島は、同僚とまたクラブに向かうが…。
商社マン・襟戸勉(28)は、入社試験をトップで入ったエリート。しかし、海外留学に選ばれたのは専務の娘の婚約者・遊田だった。遊田を妬む襟戸に、喪黒は遊田の弱みを握って留学を辞退させるため、遊田をゆするよう勧める。
ゴルフは全く素人のサラリーマン・舞戸千代郎(25)。同僚からもバカにされ、見返そうと練習場に通うがボールが前に飛ばない。そんな舞戸を見かねた喪黒はコーチ役を買って出て、絶対にボールが当たるコツを伝授する。
高身長、高学歴、高収入の男性との結婚を望むOL・妻成耐子(25)だが、現実にはなかなか条件に合う男はいない。喪黒に南の島でのお見合いツアーを紹介された耐子はそこですべての条件が揃った男を見つけ、体を許してしまう。
髭剃りが苦手な理容師見習い・出無野風太(22)。しかし喪黒からもらった煙草を吸うと不思議と自信がつき、上手にカミソリを扱えるように。ある日、風太は同僚から「髭を剃ってくれ」と頼まれるのだが…。
喪黒が忘れていった痴漢用の道具を持ち帰った無職の冬木花衛(69)。その道具を使って、いつも親切にしてくれる隣の女性の話を盗み聞きしたところ、財産目当てだったと知る。怒った冬木は…。
喪黒から高給アルバイト情報ばかりが載った雑誌をもらった大学生・筒井伸一(20)。早速アルバイト代で麻雀のツケを支払った筒井だが、調子に乗って「レートを上げた麻雀をやろう」と言い出す。しかし、その様子をヤクザが見ていて…。
高級ホテルに行くのが夢だったサラリーマン・浦島太一(46)は、喪黒に背中を押され妻と宿泊することを決心する。翌朝、浦島が目覚めると、一緒に泊まったのは妻ではなく、前日に意気投合した若い女性だった。
麻雀をやめて妻子のもとへ早く帰ろうと誓ったサラリーマン・石野隆志(30)だが、誘惑に負けて雀荘へと向かってしまう。そんな自分の意志の弱さを嘆く石野に、喪黒は同僚からの誘いを代わりに断る「ことわり屋」になると言い…。
昔の交際相手だった陶芸家・唐津陶吉の個展に足を運んだ主婦・恋野夢美(36)。夫と娘と幸せな生活を送っている夢美だが、「あの時陶吉さんと一緒になっていたら…」という思いもよぎる。そんな夢美に、喪黒の誘惑が…。
一切遊びをやらない会社員・虫味一郎(41)に、喪黒は「趣味を持てば人生が変わる」と強引にゴルフを勧めた。渋々練習する虫味だが、喪黒から借りたクラブが1本40万円もするクラシッククラブだと知り…。
ゴルフを始めたばかりの主婦・虫味蝶子(36)に、喪黒はコーチ兼ゴルフパートナーの女性・姿子を紹介する。すっかり姿子に惚れ込んだ蝶子は、次第に夫のことよりも姿子とのゴルフのほうに夢中になり…。
街なかでヤクザに絡まれ、喪黒に助けられたサラリーマン・烏森喜一(28)。護身術を身につけていないことを情けなく思う烏森に、喪黒は空手の先生を紹介する。毎日稽古に通い続けた烏森は…。
男に不信感を持つキャリアウーマン・刈谷麻子(30)は、自立した女性として生きようと思っていた。喪黒からも、男にうつつをぬかさないよう忠告を受ける。しかし、麻子は取引先の担当者・坊谷と仕事を越えた付き合いになり…。
仕事が終わってもまっすぐ家に帰りたがらないサラリーマン・加江利宅内(46)。妻と子供に自宅を占領され、自分の居場所がないという。喪黒は加江利のため、マンションの一室を提供するが…。
社長付運転手・大栗之益(39)に、喪黒は「社長が車内で電話取引している株情報を教えてくれれば儲けさせてやる」と持ちかける。最初のうちはきっぱり断っていた大栗だが、欲望に負けてしまい…。
女性に縁のない会社員・無西俊夫(34)。喪黒は、そんな無西を外見から変え、モテる男へと変身させた。周囲の見る目が変わった無西は、高嶺の花だった慶子を食事に誘うことに成功。しかし、調子に乗った無西は別の女性にも手を出し…。
二枚目俳優・出原奈也巳(29)の悩みは肥満。事務所から甘いものを禁止されているが、なかなかやめられない。喪黒は出原が甘いものの誘惑に負けないよう、脂肪を引き取るという不思議な狸の置物を渡すが…。
毎日多忙な会社重役・日眞賀星也(48)に、喪黒は隣のビルで居眠りをしている窓際族の窓辺を引き合わせた。窓辺は日眞賀と瓜二つ。喪黒は、のんびりしたい日眞賀と、バリバリ働きたい窓辺とを入れ替えようとするが…。
新入社員のサラリーマン・勝田類(22)は、課長に叱られたのがつらくて無断欠勤を繰り返していた。そんな勝田に、喪黒は「課長が恐くなくなる方法」として、会社の休み時間にこっそり編み物をすることを勧めるが…。
サラリーマン・生地内也(20)はあがり症で人づきあいも苦手。喪黒は生地の悩みを解決するため、女性との特別な伝言ダイヤルを用意する。お互いにメッセージを入れていくうちに、生地はその女性に少しずつ興味を持ち始め…。
離婚して気楽な一人暮らしを楽しむ会社員・男谷毛馬(36)だが、部屋は散らかり放題。喪黒は彼に家政婦に来てもらうことを勧める。自由な生活を邪魔されたくない男谷は断るが、ある日家政婦の滋子が男谷の部屋に押しかけ…。
30年間、1度も寄り道せず帰宅していた会社員・半出押太(57)は、電車の窓から見えるバーの女性が気になっていた。それでも自制してまっすぐ帰ろうとする半出。「このままでは後悔する」と喪黒に言われ、初めて途中下車をする。
予備校生・尾崎真蔵(20)は喪黒に紹介された“キッス占い”に見てもらい、「頑張れば東大に受かる」と言われる。しかし、喪黒に「上昇の気がなくなるため、占い師以外と絶対にキスをしないように」と釘をさされ…。
近場の客も断らないため、成績が上がらないタクシー運転手・大井卓司(33)。だが、喪黒が大井に幸運のお守りを渡すと、次々に長距離の客がつき、たちまちトップに。調子に乗った大井は売り上げ記録を作ろうとするのだが…。
プロ野球選手・能見野新造(25)は、精神面が弱く、試合になるとコントロールを乱す2軍投手。だが、喪黒の忠告により、能見野は人が変わったような投球をするようになる。そして、1軍への最終テストに登板するが…。
クラブのホステスに妻と子供の写真を見せびらかすサラリーマン・加古忍(48)。しかしそれは新婚当初に撮られた古い写真だった。現実の妻子に冷たく扱われている加古は、喪黒に“ある場所”に連れて行かれる。
切手コレクターのサラリーマン・吉手麻仁也(32)は、喪黒からある切手を見せられる。それは、幻と呼ばれる“ハワイの宣教師切手”で、吉手は自分のコレクション全てと交換する。最高のお宝を手にした吉手は喜びに浸るのだが…。
花屋の店員に恋するも、話しかけることすら出来ないフリーアルバイター・産名八太(21)。そんな産名のために、喪黒はロマンチックなお膳立てを設定する。月下美人の花が咲いたとき、産名は思い切って彼女に告白するのだが…。
こっそりアパートで九官鳥を飼っていたアニメーター・高阿羅夫(28)は、隣人の告げ口で管理人に逃がされてしまう。高は喪黒からもらったユーカリの木の缶詰を愛情深く育てるが、その様子のまた隣人が聞いており…。
フクロウの生態写真を撮るのが生きがいのカメラマン・耳津邦夫(32)。だが、山にこもってばかりの耳津は、妻から金銭面を理由に離婚を突きつけられてしまう。喪黒は生活のために醜聞写真を撮ることを勧め、耳津は心ならずも同意する。
年齢のわりに若いと思っていた会社部長・若狭万次郎(50)だが、老いを指摘され落ち込むことも。そんな若狭に、喪黒は念じることで若返る人形を渡す。ますます若さに磨きがかかる若狭だが、段々無理を重ねるように…。
食通のサラリーマン・久留米星雄(22)に、喪黒は会員制のレストランを紹介する。会員カードをもらった久留米はその店の料理に魅了され、毎晩のように通う。そんな中、同棲している彼女に怒られた久留米は「明日は必ず帰って一緒に食事をする」と約束するが…。
カラオケ嫌いのサラリーマン・空尾慶一(30)。しかし、付き合いでも歌わないと出世にも響くのでは、と喪黒に言われ、自宅用カラオケセットを譲ってもらうことに。試しに歌ってみた空尾はすっかりハマってしまい…。
田舎町に単身赴任してきたサラリーマン・丹見一人(46)。しかし部下とも打ち解けず、いつも寂しい夜を過ごしていた。喪黒は孤独な丹見に“ある店”を紹介。そこを切り盛りしているつゆ子との出会いで、丹見の生活は一変する。
サラリーマン・花畑駒太(49)は、息子の受験で家庭内がピリピリしているため、家に帰りたくなかった。喪黒は、花畑が家に帰るのが楽しくなるよう、カトレアの鉢植えを与える。丹念にカトレアを育てる花畑。しかし、そんな夫の姿を、妻は快く思っていなかった。
マンガ家・見地目苔(24)は、スキースクールで彼女を作ろうとする。しかしスキーが苦手な見地目は、目当ての娘から相手にされずみんなの笑い者に。しかし、見地目は喪黒の暗示で自信をつけて格好よく滑り、目当ての娘からは部屋に招待される。
温泉宿での同窓会の幹事を務めるサラリーマン・落窪礼(46)。喪黒から「若い女性をものにしたら、みんなから見直される」とそそのかされ、2人組の女性にいざアタック! 彼女たちと一緒に露天風呂に入ることに…。
ドリンク剤依存症で不健康な生活を送っているシナリオライター・須田見梨也(29)は、喪黒にケーフィアという発酵飲料をもらう。これを大切に育てて毎日飲用した須田見は健康を取り戻す。だが健康になった須田見に“ある支障”が…。
いつも卑屈に生きているサラリーマン・宇和目和夫(49)は、家でも会社でも謝りっぱなし。喪黒は宇和目の性格を改善させるため、高層ビルの屋上で1週間生活させる。すると宇和目は堂々とした態度に変貌し、周囲の見る目も一変し…。
ゴルフが大好きだが下手クソのサラリーマン・白玉教一(44)は、喪黒から魔法のクラブをもらう。これを使うとスーパーショット連発で本人も周囲もビックリ。いつも自分を馬鹿にしていた部長の悔しがる姿を見て、白玉は悦に入るのだった。
73歳の会社社長・出雲若志(73)は、見た目は50代。若く見られることが自慢だったが、肉体の衰えは顕著だった。喪黒は出雲の肉体に若さを甦らせるため、特製の鉄アレイを渡す。これで鍛えた出雲は再び若さを取り戻したのだが…。
印刷屋に勤める安楽一寿(38)は、仕事が忙しく、家に帰らず事務所のイスを並べて眠る生活を送っていた。喪黒は安楽に寝心地のいいベッドをプレゼント。毎晩自宅で安眠できるはずだったが…。
何をするにも決断することができないサラリーマン・真夜井王志(25)に、喪黒は正しいほうに導いてくれる「決断ステッキ」を渡す。このステッキを使ってから良いこと続きの真夜井だったが、あるとき、ステッキの指示とは違う行動をしてしまう。
出張ついでにアバンチュールを求め温泉に来たサラリーマン・木原志佐雄(46)。喪黒と一緒に芸者をかこむが、木原は酔いつぶれてしまい、結局何も起こらなかった。喪黒はそんな木原のために一夜の花を咲かせることに…。
家に帰らず車の中で寝泊りしているサラリーマン・浦成平一(51)だが、愛車が壊れてしまい行き場がなくなってしまった。喪黒にカプセルホテルを紹介されるが、そこも落ち着かない。そんな浦成のために喪黒が見つけた究極の場所とは…?
ゴッホに心酔する売れない画家・伴護保(27)。売れないのはゴッホのようなパトロンがいないからだという喪黒は、伴に大金持ちのパトロン・鳴金を紹介する。そして喪黒は、伴に「決して芸術家の魂だけは売らないように」と忠告し…。
食品に関して異常に潔癖なサラリーマン・出利慶太(32)は、有害物を避けるために常に自然食の弁当と自家製のお茶を会社に持参していた。喪黒は出利に安全な食品を送るが、健康野菜の安全面にも不信を抱いた出利はそれすらも疑うようになる。
サラリーマン・酔手壮郎(31)は、普段は気弱だが、酒が入ると人が変わったようにからみ出す。喪黒は、怒りがたまった時のため、酔手に堪忍袋を渡す。酔手はいくら飲んでもからまなくなったのだが…。
銭湯マニアの水道局員・湯網好夫(39)は、喪黒にある会員制の銭湯を紹介される。そこは江戸情緒たっぷりの銭湯で、湯網はすっかり気に入ってしまった。だが現代的な用具の使用は禁止で、規則を破ると会員から除名されてしまう…。
テレビプロダクション勤務の常仁一人(25)は、女性同伴という条件で同僚から食事に誘われる。彼女のいない常仁は、喪黒に女性を紹介してほしいと頼む。約束の日、常仁が連れて来た女性は、同僚たちも驚くほどの絶世の美女で…。
最近のカラオケバーになじめないサラリーマン・開高角太郎(60)に、喪黒は大正ロマンあふれる店を紹介。そこの気品溢れるホステス・悦子に恋した開高は毎晩その店に通うようになるが、喪黒から「恋をするのはやめたほうがいい」と忠告され…。
サラリーマン・我妻毅(28)の悩みは妻の料理がまずいことで、毎日愛妻弁当をゴミ箱に捨てていた。喪黒は余計なことを詮索しないのを条件に、我妻の弁当を豪華な弁当と交換。我妻は毎日おいしい弁当を食べることができ、幸せだったが…。
ホテルの宴会係・福水凡(35)は、嫁姑にこき使われて肩身の狭い思いをしていた。ついに堪忍袋の緒が切れ離婚することに。喪黒から離婚した者が集うパーティーを紹介された福水は、金髪の美女と出会い、良い関係に…。
一戸建てのマイホームを探すサラリーマン・一戸立男(41)だが、良い物件が見つからない。そんな一戸に、喪黒はある住宅会社のモデルハウスを紹介。モニターとして住めばタダという最高の物件に、家族も大喜びするのだが…。
セールスマン・上木四郎(33)は喪黒と久しぶりに会う。上木は以前、取引先の女性と浮気しており、その件に喪黒が絡んでいたのだった。その後、女性とは別れた上木だが、喪黒は上木に「背負わなければならない宿命がある」と言い残し…。
いつも妻と息子にバカにされて悩む会社員・屋内寒志(41)に、喪黒は「思い切って家族を交換しては」と提案する。妻に罵られ家を飛び出した屋内は、喪黒に案内された”理想の妻と子のいる家”へ入っていった…。
亀好きのプログラマー・甲田亀太郎(32)は、週末になると水族館の亀・亀次郎をずっと眺めている。水族館の休館日、喪黒は砂浜で甲田と亀次郎を会わせるが、甲田はそのまま亀次郎を連れ去ってしまい…。
はしご酒をしないと気がすまない小説家・越葉庄助(55)だが、一緒に付き合ってくれる酒好きの友人はいない。喪黒は越葉に、飲み相手として若い女性・乃美子を紹介し、ふたりは山手線一周飲み歩きを敢行する。
会社から1カ月の休暇を与えられたサラリーマンの長井(42)だが、何もすることがなく時間を持て余していた。長井は喪黒にボランティアを紹介されるもあまり乗り気ではなかった。しかし仕事が若い女性のリハビリの介助だとわかると…。
家が割烹料理屋なのでペットを飼うことができない小学生のアゲル(12)に、喪黒はワニをプレゼント。だがワニが原因で店の大得意である五利を怒らせ、ワニを連れ去られてしまう。泣き叫ぶアゲルに、喪黒はワニを取り戻すことを約束する。
部屋が汚いファッション・デザイナーの真知子(29)に、喪黒は家政婦としてキャサリンを紹介。彼女のおかげで部屋は片付き独立の話も決まるなど、良いことが続く。だがキャサリンがいると何も出来ない女になると思った真知子は、彼女を追い出してしまう。
中間管理職と家庭内のストレスで不眠症に陥ったサラリーマンの宋利(46)。喪黒は仕事をしながらでも熟睡できるというミニ枕を宋利に渡した。これを使った宋利はいつも快調。だが使い過ぎると大変なことになり…。
元映画スターの勝手(74)は、今は老人ホームで孤独に過ごす身。喪黒は人気復活を仕掛け、世間は星新三郎ブームになるが、ファンの夢を壊さないよう名乗りでない方が良いと勝手に忠告する。しかし突如ニセ者が名乗り出た…。
健康的で規則正しい生活をするOLの津寿貴(29)は潔癖すぎて、今まで男性との付き合いもない。そんな津寿貴はガサツだが頼りがいのある男と交際を始める。夜の公園、2人が唇を重ねようとした時、津寿貴は…。
フリーライターの目茂(36)は仕事上の必需品である電子手帳を落とすが、喪黒に拾われ無事自分の元に戻ってきた。しかしそれは他人の電子手帳で、目茂はその手帳に入っていた出会い系の番号に電話して、毎晩情事にいそしんでしまう。
喪黒はギャンブル好きのカメラマン・筧(35)を一度だけの約束で秘密のカジノに連れていく。そこで大勝ちした筧はその時の快感が忘れられず、ポケットにあったチップを見つけ、喪黒との約束を破り再びカジノへ行ってしまう…。
サラリーマンの内名木(53)は、月曜日の出勤がつらくなる月曜拒否症候群。喪黒は内名木を「日曜クラブ」という憩いの場に連れて行き、心身のリフレッシュをさせる。だが次の日、内名木はまた現実と向かい合ってしまう…。
いつも規則通りの生活を送っていたサラリーマンの律木(42)は、喪黒に森へ連れて行かれる。そこで時間に縛られない生活を満喫し、律木は充実した日々を過ごす。だが都会が恋しくなった律木は、元の生活に帰ることに…。
漫画コレクターでもあるサラリーマンの中念(39)に、喪黒はある古い漫画本の価値を調べてほしいとお願いする。中念が行きつけの古本屋で見てもらうと、その本は幻の作品とも呼ばれるもので、値段はなんと2~300万円もするというものだった。
空き地に郷愁を感じているサラリーマンの賀来(46)に、喪黒は大人が童心に戻って遊べる秘密の空き地を紹介する。ある夜、繁華街で賀来は水商売の女性に声を掛けられるが、その女性は空き地で一緒に遊んだ志津だった。
会社でも家庭でも心の休まる時がないサラリーマンの須藤(45)。喪黒は須藤をストレスから解放させるために、短期間だけのホームレス生活を紹介した。毎日のんびり暮らす須藤に、喪黒は社会復帰を勧めるのだが…。
工員の泊場(28)は、念願の車を買ったものの駐車場代が値上がりしたため、毎晩違法駐車を繰り返していた。駐車のことでノイローゼになりそうな泊場に、喪黒は駐車場を世話することに。それは人が泊まることができない車専用のマンションだった。
画家の木上(49)は、ビル建設のためにケヤキの木が切られることに反対。喪黒の協力もあり、木の上で抗議の篭城を始める。やがてその活動がマスコミに取り上げられ、木上の絵も売れるようになると、だんだん初心を忘れてしまい…。
喪黒から鏡をプレゼントされたOLの鏡子(28)。この鏡を見た者はどんどんきれいになっていき、同僚たちも鏡子の突然の変ぼうに驚くばかり。だがその鏡には呪いがかけられており、喪黒は鏡子に鏡を返してほしいと言う。
生身の女性には興味がないサラリーマン・姫野(32)の趣味は人形集め。喪黒から人形をもらった姫野は、人形に愛情を注ぎ決して裏切らないようにと言われる。だが、姫野はクリスマスイブの夜、会社の女性に誘われ一夜を共にしてしまう。
大の酒好きのサラリーマン・石井(38)は、飲みすぎで医者からも注意を受けているが、家族の心配もよそに誘われるとつい飲んでしまっていた。そこで喪黒は石井に禁酒をさせるため、酒を飲むと指を締め付ける「キンの指輪」をはめさせる。
職探しをしている無職の由地(50)に、喪黒はたまには遊ぶことも必要と”大人の遊園地”へ招待する。だがこの遊園地にすっかりのめりこんでしまった由地は、職探しもしないでまた遊園地へ行ってしまう。
病院嫌いのサラリーマン・甘絵(42)は、友人のお見舞いに来た病院で喪黒にぶつかり、検査用の小便を頭からかぶってしまう。しかも、服をクリーニングしている間に空きベッドで休んでいると、誤って点滴をされてしまい…。
看板の外国人女性・リンダをモデルに絵を描きたいと思っているイラストレーターの夢見(23)に、喪黒は彼女に会わせることを約束。リンダと楽しい夜を過ごした夢見はすっかり彼女に夢中になり、喪黒にもう一度会いたいとお願いする。
サラリーマンの手持(28)は同僚のミチヨに好意を持つが、いつもつれない態度を取られてばかり。そんな手持を喪黒は、会社の地下にあるお偉方だけしか入れない秘密のクラブに招待するが、そこではミチヨがホステスとして働いていた。
ゴルフのプロアマ大会に出場する会社社長の泡手(56)は自分の腕に自信がなく、球がギャラリーに当たるのではと不安になる。喪黒はそんな泡手に5番アイアンで打つように助言。すると打球が真っ直ぐに飛び、泡手は自信を持つのだが…。
ビデオコンテストに応募するため、喪黒は大久保という老人を派遣する。サラリーマンの加手井(34)の息子もすっかり大久保になつき、本当の祖父と孫のような関係になる。だが撮影後も大久保は、加手井家に居つくようになってしまう。
家が手狭になったサラリーマンの宇佐木(39)は、喪黒の提案で家族を田舎に住ませ、自分は東京の家から通勤することに。ある週末、宇佐木は仕事で田舎の自宅に帰れないと電話をするが、何度かけても誰も出ず宇佐木は不安になる。
職場で倒れたサラリーマンの羽賀場(58)は、急に自分の将来のことが心配になり、お墓を探すことに。だが場所や金額の問題もあって、なかなか良い墓は見つからない。喪黒が羽賀場のために見つけてきた理想的なお墓とは…?
サラリーマン・鵜飼(48)の趣味は、食品売場でおいしいものを買うこと。だが、妻からは自分の料理が気に入らないと思われてしまい、買い物を禁止される。それでも止めることができない鵜飼を、喪黒は試食用のマンションへ案内する。
日本で働く商社マンのケント(32)は、日本人が仕事のあと夜遅くまで遊びまわることが理解できなかった。喪黒はケントに日本の習慣に慣れるよう遊びを徹底的に教えるのだが、そんなケントに妻はカンカンで…。
何もかも捨てて夜行列車で旅に出たサラリーマンの小宮(41)。偶然立ち寄った居酒屋の美人女将と仲良くなった小宮は、女将と一緒に暮らすことに。数日後、喪黒から家に電話するよう言われた小宮は、妻が倒れたことを知る。
小学生の見手郎(12)はガマグチが自分をいじめる度に、手帳に黒い星をつけていた。この星がたまると見手郎は処刑という名目で、ガマグチに仕返しをする。喪黒は奇妙な少年・見手郎の行動に興味を示し観察することに。
家のローンのためゴルフを我慢しているサラリーマンの毛栗(51)は、名門ゴルフコースに無断で入りプレーをしていた。喪黒から他の人を誘わないという条件で特別会員証をもらった毛栗だが、会員になったことを上司に知られてしまい…。
肝臓の具合が良くないと診断され、医者にお酒を止められたサラリーマンの割井(49)。そんな割井に喪黒は万病に効くキノコのエキスを渡した。これを飲んで元気になった割井だったが、調子に乗って1カ月の適量をあっという間に飲み干してしまう。
家が遠いため、片道4時間の通勤をしているサラリーマンの長井(34)。そんな長井のために喪黒は平日のみという約束で、会社の近所にマンションを用意する。そんな中、飲み歩いた長井は休日なのにうっかりマンションへ行ってしまう。
タヒチ好きのフリーター・尾宅(23)を、喪黒はタヒチを再現した「パペーテ」というクラブに連れて行く。そこの店員・マリーに恋した尾宅は、喪黒の忠告を無視してマリーを海水浴に誘い出す。
喪黒は毎日忙しい社長の尾山野(64)に、社長だけが入園できる幼稚園を紹介する。そこで童心に返って遊ぶ尾山野は、ヤスマサという子にいじめられる。後日ある会社の社長が尾山野のもとに陳情にやってくるが、それはヤスマサだった。
浮気性のタレント・水野(35)は女性とのスキャンダルを喪黒に相談。喪黒は知り合いの示談屋に頼みもみ消してもらうが、度重なるスキャンダルに喪黒は奥さんを大事にするよう水野に言う。だが水野はまた別の女性に手を出してしまう。
定期的に高校時代の仲間と同窓会を開いているサラリーマンの堂木(39)だが、最近マンネリ化して盛り上がらない。喪黒はクラスのマドンナを呼び、皆は大喜び。しかし彼女の出現により彼らの友情にヒビが入ることに。
塾通いの息子・学を気の毒に思い、もっと遊ばせてあげたいと思っているサラリーマンの横道(41)は喪黒から「遊びの家庭教師」を紹介される。コマやメンコなど昔ながらの遊びを覚えた学は、横道の麻雀にまで参加してしまうことに。
無職の向井(65)はゲートボール仲間や家庭に遠慮した生活を送っていた。喪黒から「もっと自己主張すべき」と助言された向井は、息子の嫁やゲートボール仲間にもきぜんとした態度を取る。あまりの変ぼうぶりに周囲は驚くばかり。
体調が良くない作詞家の日練(60)は、喪黒に紹介された特製ドリンク剤を飲んで健康になる。喪黒から他のドリンク剤は飲まないよう言われた日練だが、自宅にCMで作品を使ったスポンサーから大量のドリンク剤が届けられる。
今まで男運の無かったOLの典江(28)に、喪黒は幸運のスカーフを渡す。これを身につけた典江は、たちまち2人の男性からプロポーズされることに。どちらか迷う典江は、更に取引先の社長の御曹司からもデートに誘われてしまう。
共働きのサラリーマン・梶(31)は、妻から家事の分担を言われるも料理・洗濯など全くダメ。しかし喪黒に家事のカルチャースクールを紹介された梶は、人が変わったように目覚めてしまい、今では全ての家事を行うようになる。
サラリーマンの太宰(34)は職場のマドンナ・マリに好意を持つが、ライバルが多くいつも遠くから眺める立場だった。そんな太宰のために、喪黒は恋のライバルを次々と陥れ脱落させていく。遂に太宰はマリの部屋に入ることができたのだが…。
サラリーマンの端目(34)は、歌は下手だが人の曲まで歌ってしまうほどのカラオケ好き。そんな端目を喪黒はメンバー制の「カラオケパレス」に連れて行く。そこは、メイクや貸し衣装があり、立体映像の観客もいるという豪華なカラオケホールだった。
スナックを経営する待子(31)は元の上司と不倫中。スナックを経営しながら彼のことを待っていた。しかし彼からの連絡もなく、喪黒の紹介で信州のリハビリ療養所で人生をやり直すことに。だがそこにかつての不倫相手が入所してきた。
レーサーを夢見る自動車修理工の宅雄(21)は、喪黒からF1レースのバーチャルゲームをもらい、病みつきになる。すっかり彼女のことをほったらかしにした宅雄は、他の人を乗せてはいけないという禁を破り、彼女とゲームに挑んでしまう。
茂手内(17)はモテない高校生で、級友からもバカにされていた。ある日、喪黒から恋のキューピッドの弓矢をもらった茂手内は、アイドルの松本スズ子のポスターに矢を刺す。するとTVの企画で茂手内はスズ子から声を掛けられる。
同僚の牛河にいじめられている会社員の青菜(25)は、喪黒に呪いの人形をもらう。これに牛河の写真を巻いて針を刺すと、牛河は針と同じ箇所を怪我するのだ。牛河から屈辱的な扱いを受けた青菜は、遂に人形の心臓に針を向ける。
会社員の犬貫(33)は転勤で東京に行くことになったが、東京では愛犬を飼えない。そこで喪黒は催眠術で犬に人間のような立ち振る舞いをさせ、一緒に暮らせるようにした。だが管理人は犬貫が隠れて犬を飼っているのではと怪しむ。
あこがれの絹子にいつもなめられているデザイナーの矢和井(31)。ある日絹子は矢和井のことを無視して、複数の男友達と談笑する。屈辱的な扱いを受けた矢和井に、喪黒はダミーの彼女を用意。同じことを絹子の前でするよう命じる。
サラリーマンの大仁(34)は何も仕事がない「夢任課」へ異動させられた。会社の番外地への島流しに大仁はやる気を無くすが、喪黒は夢任課へ素敵な女性・真知子を派遣する。真知子の存在で夢任課の雰囲気は明るくなるが…。
家でも会社でも邪険に扱われているサラリーマンの霞(51)は、喪黒から必ず良い夢が見られるという「邯鄲の夢枕」をもらう。この枕で理想的な夢の世界を堪のうする霞は、夢におぼれてしまい安眠できる場所を探し街をさまようことに。
サラリーマンの押井(44)は普段はおとなしい性格だが、ゴルフになると普段のストレスが爆発して人格が豹変してしまう。そこで喪黒は押井に暗示をかけ、クラブを握っても紳士的なプレーに徹するようにする。だがそこには意外な落とし穴があった。
時代劇好きの劇画家・勝戸(31)はチャンバラ漫画を描くが、編集者から流行らないと言われ、妻からも売れないことを叱られる。自分の漫画を否定された勝戸は、喪黒から紹介された時代劇専門の映画館でストレスを発散させる。
今まで事務畑で働いてきたセールスマンの彼木(53)は、突然会社から車のセールスへ配置転換された。だが、慣れないセールスに車は1台も売れずに悩んでいた。そこで喪黒は彼木のコーチ役として只野という男を紹介。只野の仕事ぶりに彼木は営業の極意を学ぶ。
毎朝通勤電車に揺られているサラリーマンの夢野(26)は、喪黒にいつもと逆の下り電車に乗せられる。郊外の駅で降りた夢野は、美人女将のいる居酒屋の2階に居着いてしまい、会社を辞めて第二の人生をやり直そうと決心する。