家で再生したビデオ映像の中に、誰の記憶にもない不思議なものが映っていたのだ。ビデオから侵入してきた“魔”が家の中へ滲出していく・・・。
なんらかの事情で買い手がつかない「バック物件」を不動産屋が逆にお金を入居者に支払い、住まわせる。その後、一家を次々と怪現象が襲う。
寝息を立てている理恵。かすかに開いた口の中に、膨れ上がった水死体のような形をしたモヤが吸い込まれていく。その夜、理恵はちょっとした不注意で道端の花瓶を倒してしまった。丁寧に備え直して手を合わせたのだが・・・。
“誰かいる・・・”。リサイクルショップで見つけた鏡を部屋に飾って以来、誰かが近くにいるように感じる由佳里。奇妙な物音、ささやき、部屋中に残された無数の黒い足跡――ついに鏡の中から怖しい姿を現したのは?