『夢幻大陸エンディアス記』。不思議な風がその本のページをめくり、
咲くはずのない古木の桜が満開になった日、異世界への扉は
開かれた―――――。
行方不明になった仲間を探す秋月蒼真が迷い込んだのは、獣人やエルフが住み、モンスターが徘徊するファンタジーな世界。この世界で蒼真は、想いが通じ合った相手の心を“心剣”という結晶体にして操る“心剣士(ソウルブレイダー)”としての力を手に入れる。
伝説に謳われる心剣士であることで、リーベリア地方三国のうちのひとつ獣人の国・セイランへと招かれた蒼真だったが、いつしか陰謀渦巻く国家同士の争いに巻き込まれ、心剣を手に戦うことを余儀なくされてしまう。
しかし戦乱の最前線で蒼真が出会った敵国の心剣士、それはかつての
親友の姿だった―――――。
“想い”を剣にしてぶつけ合う少年たちの友情を描く、
心にふれるファンタジー。
■キャスト
秋月蒼真/保志総一朗
呉羽冬華/堀江由衣
霧谷魁斗/石田 彰
椎名夏音/水樹奈々
西園寺春人/置鮎龍太郎
蛭田麗亜/佐久間紅美
ゼロ/保志総一朗
マオ/斎藤千和
エルウィン/広橋 涼
ブランネージュ/川澄綾子
リュウナ/福圓美里
ラザラス/園部好徳
■スタッフ
監督:わたなべひろし
シリーズ構成・脚本:まさきひろ
キャラクター原案:Tony
キャラクターデザイン:江森真理子、番 由紀子
音楽:羽岡 佳
音楽監督:原田扶美子
音響監督:みさわあやこ
音響制作:ダックス プロダクション
アニメーションプロデューサー:豊住政弘
プロデューサー:中山雅弘
アニメーション制作:スタジオディーン
製作:セガ
小高い丘の上に建つ、聖ルミナス学園。高等部生徒会副会長の秋月蒼真は、最近町で相次いでいる“神隠し事件”の原因を探っていた。生徒会の仲間である西園寺と蛭田までもが行方不明になってしまったからだ。事件解明のため休日の学園を訪れた蒼真だったが、突然現われた狼男とひとりの少女の争いに巻き込まれ、同行していた呉羽とともに見知らぬ場所へと飛ばされてしまう。そこは、獣人やエルフが住み、モンスターが徘徊する異世界だった!
異世界へと飛ばされ、状況を把握する間もなくモンスターに襲われたソウマは、クレハの胸から現われた“心剣”を使い、圧倒的な力でモンスターを撃退する。その様子を見ていた狼獣人に案内され、獣人の国・セイランに身を寄せることになった二人。この世界で『救世主』とも呼ばれる“伝説の心剣士”であるソウマに、セイラン国宰相のシュマリは力を貸して欲しいと願い出た。そして向かうことになった戦場の最前線で、ソウマはかつての親友と再会する―――――。
思わぬ場所で親友・キリヤとの再会を果たしたソウマだったが、立場の違いと少しの意地から互いの心剣を交えることになる。しかし、戦いの最中、ソウマが操っていたクレハの心剣が消えてしまった。その上、不穏な行動を問い詰められ逆上したシュマリによって、クレハが人質として連れ去られてしまう。心剣とパートナーを同時に失いショックを受けたソウマは、キリヤの和解の言葉を聞き入れることもなく、ひとり荒野へと歩き出すのであった。
単身セイラン砦へと向かったソウマは、突如現われた巨大な移動要塞が放ったレーザー砲によって、砦もろとも消滅した。それを知ったキリヤたちが、悲しみにくれながらもソウマの無事を信じ、移動要塞の正体を確かめに行くと、そこにはエルフ兵やロボット、戦車からなる魔装錬金帝国ベイルガルド軍がいた。軍を率いるのは、皇帝“トライハルト”。それは紛れもなく、行方不明になっていた生徒会長・西園寺だった。そして隣にはまるで別人のように変貌した蛭田の姿があった。
間一髪のところを謎の少年・ゼロに救われ、「双竜の指輪」とある使命を託されたソウマは、ゼロの仲間だと言う巫女と竜人とともに、闇の力に汚染された森を偵察していた。しかし、森には正気を失ったダークエルフたちが溢れており、ソウマたちはあっという間に囲まれてしまう。一刻も早く森を抜けるため、ソウマがダークエルフに剣を向けたその時、頭上からのん気な声で制止が入った。見上げるとそこには、美しい金髪のエルフの少女が立っていた。
ベイルガルド軍の侵攻は徐々に激しさを増してきていた。しかし、圧倒的な力で攻め込んでくるロボット部隊を、キリヤたちは自分達の知識を活かした作戦で撃退する。一方、ソウマは砂漠で不思議な氷の家を発見していた。熱砂の中にありながら吹雪さえ纏うその家の主は、銀髪の美しい魔女。常に冷静な魔女は「双竜の指輪」を持つソウマを試すかのように突き放した態度を取るが、ソウマはそれを屈託のない笑顔で受け止めるのだった。
自分の進むべき道が見えてきたソウマは、キリヤやトライハルトをはじめとした、かつての仲間たちを光風館へと呼び出し、争いをやめ皆で力をあわせて世界の破滅を阻止するよう説得する。しかし、ソウマの想いとは裏腹に、キリヤとトライハルトの意見は完全に決裂してしまうのだった。その頃、戦闘で傷ついたゼクティは不思議な夢にうなされていた。目覚めてもなお、頭から離れない幻影にゼクティの心が小さく揺れ始める。
世界は氷に包まれた。リーベリア全土は雲をも超える氷壁によって外界から遮断され、新たなカオスゲートが次々と開き始める。ソウマは身体に傷を負いながらも、キリヤとトライハルトの戦いを止められなかった自分を責め、悔やんでいた。そんなソウマにゼロは、かつて別の国でこの世界の危機を救った、ひとりの少年とその仲間たちの物語を語る。その話はゼロの正体、そしてゼロが背負っている宿命に関わるものでもあった。
ソウマの居場所を知り、海路を急いだマオ。しかし、ようやく辿り着いたリーベリアは氷の絶壁に囲まれ、上陸する術が無い。一方、ソウマは吹雪の中、トライハルトのもとへと向かっていた。はじめこそ意見がすれ違うソウマとトライハルトだったが、ソウマのひと言でふたりの間にかつての空気が戻る。そこでトライハルトはソウマに“あるもの”を預かって欲しいと依頼する。それはキリヤへと宛てた『希望』だった。
無事リーベリアへ上陸したマオと合流したキリヤたちが、ソウマが待つ光風館へと戻ってきた。帰還早々、トライハルトからの預りものだという『希望』をソウマから受け取ったキリヤは、思いもよらなかった再会を心から喜ぶ。マオも久しぶりに会ったソウマの笑顔に安堵したが、その直後、出会うはずのない人物たちとの再会によって、悲しい真実を知ってしまう。ただただ号泣するマオを、優しくなぐさめたのはソウマだった。
天風の塔を目指し、汚染された森をさ迷うソウマたち。しかし、張られていた結界が解けると、緑豊かな景色が目の前に広がり、大きなクリスタルを携えた霊樹のもとへと辿り着く。そこには、異世界へ来る直前にキリヤの夢の中に現われた、美しいエルフの女性が待っていた。女性は、ゼクティこそが天風の塔の巫女の資格を持つと告げる。はじめは当惑していたゼクティだったが、自らの運命を受け入れ、使命を果たす決心をする。
闇のエネルギーが充満する、黒き塔。ソウマとキリヤは力を合わせ、ようやく目指す玉座へと辿り着く。しかし、すでにトライハルトは闇のエネルギーの集積装置の一部として融合し、身動きが取れなくなっていた。装置を止めればトライハルトの身にも危険が及ぶことを知り迷うソウマたち。世界か、トライハルトか、救えるのは一方のみ。世界崩壊へのリミットが迫る中、ソウマはこの究極の選択をキリヤひとりに委ねると言い出す。
ついに、闇の神器が目覚めてしまった。ソウマ、キリヤ、トライハルトは戦いを終わらせるべく、それぞれの究極心剣を手に立ち向かう。世界の運命とみんなの想いを背負い、3人が心を重ねあったその時、心剣からまばゆい光がほとばしった。光はやがて柱となり、黒き塔を突き抜け、天へと昇っていく。そして、世界に静寂が戻った。壮絶な戦いを終え成長した、かつての生徒会メンバーたち。彼らが最後に選ぶ道は――――。