乙橘学園に通う平凡な少女、来栖川姫子と、才色兼備の美少女、宮様こと姫宮千歌音。同じ日に生を受けた二人は、人知れぬ親友関係にあった。だが、二人の誕生日のその日、空に不気味な黒い太陽が昇る。続いて突如として現れた謎の巨神に乗っていたのは、姫子の幼なじみの美少年、大神ソウマだった。
運命の夜は開け、目覚めた姫子は大神ソウマの兄、カズキの口から事件の真相を知らされる。巨神の正体は世界を滅ぼそうとする邪神オロチの分身であり、姫子がオロチと闘う使命を持つ二人の巫女の一人、陽の巫女の生まれ変わりであること。そして、ソウマもまた八人のオロチの一人である事を知らされる…。
千歌音の家の居候になった姫子は、千歌音と共にアメノムラクモ復活の儀式に挑む。だが儀式は失敗し、姫子を庇った千歌音は傷付いてしまう。「自分のせいで千歌音ちゃんが…」落ち込んでしまう姫子を、千歌音は秋の浜辺へと誘う。しかし、オロチの魔の手は再び二人に迫る…。
大神に遊園地に誘われる姫子。驚き戸惑う姫子を千歌音は励まし、可愛くコーディネイトする。だが髪に触れられた姫子は激しく怯え出す。ショックを受ける千歌音。そして当日、激しく揺れる千歌音の想いを知ることもなく、姫子は待ち合わせの場所に向かう。その頃、オロチ一の首、ツバサがカズキの許を訪れていた。
オロチ・一の首、ツバサに敗れたソウマはその正体が実の兄であることを知り苦悩する。答えの出ぬまま姫子に会いに来たソウマを千歌音は責める。『私なら…』『君に何ができる?』空回りする想いと言葉。 しかし、再び始まるソウマとツバサとの死闘。そして目覚めた姫子は千歌音に…。
一の首との闘いを終え、徐々に近くなり始めるソウマと姫子の関係。不器用な姫子を、千歌音はどこまでも優しくサポートする。姫子と二人で造ったお弁当を、一人薔薇の園で口にする千歌音。薔薇の園…そこは、姫子と千歌音が初めて出会った思い出の場所でもあった。
霧の中に現れた教会。それは二の首ミヤコの創り出した罠であった。無数の鏡が舞う魔の空間で姫子の幻影に弄ばれる千歌音。その耳元で、ミヤコは囁く。『たとえオロチを倒しても、あなたの想いが届くことはない』と。一方、三体ものオロチを撃破したソウマは、ついに『武夜御鳴神』の掌の上で、姫子と唇を重ねる。しかし…。
乙羽を東京の本邸に送り出す千歌音。その瞳には強い決意の光があった。一方、最近様子がおかしい千歌音の身を案じた姫子は、元気を出してもらうためにプレゼントを用意する。だが帰宅した姫子を待っていたのは、陽の巫女の巫女服を着た千歌音の姿だった。
悪夢の一夜は明け、九死に一生を得たソウマは、カズキからアメノムラクモ復活の儀失敗の真相と、 自らの身体を蝕む呪いの原因を知らされる。一方、千歌音の豹変を受け入れられない姫子は、その姿を求めて学園を彷徨う。薔薇の園の前でイズミたちに責め立てられる姫子。その前に現れたのは…。
もう一度千歌音と会うために、単身アメノムラクモ復活の義に挑む姫子。激しい衝撃と激痛に苦しみなながらも、姫子は見事儀式を成功させる。そんな姫子にソウマは己の決意を伝える。『アメノムラクモに乗りたい』と…。 その夜、屋敷に戻った姫子の耳に美しいピアノの戦慄が…。
空に黒い月が昇り、ついに最後の闘いの幕が上がった。剣神アメノムラクモでオロチに挑むソウマと姫子だが、 その力はあまりに強大であった。激闘の末、単身千歌音の下に向かった姫子がたどり着いた場所は、宿縁の地、月の御社であった。二人の巫女、千歌音と姫子の宴がここに始まる。
全てはここに終わりを告げ、千歌音は姫子に真実を語り始める。 神代の闘い、前世の縁、そして陽と月の巫女の織りなすあまりに残酷な神事…。そして、ついに、千歌音は姫子に告げる。「ずっと好きだったの……あなたが」 崩れゆく世界の中で、姫子も千歌音に語り始める。彼女にとっての『本当』を…。