私はその人を常に先生と呼んでいた・・・(夏目漱石「こころ」)ケイコは高校で国語の教師をしている。優しい性格だが、それが災いしてか生徒にはナメられっぱなし。授業をまともに聞いているものなどおらず、タチの悪いイタズラを仕掛けられる毎日。挙句の果てトイレには「K子はヤリマン!」なんて落書きまでされてしまう始末。そんなある日、ケイコは突然戸田という男子生徒に土下座をされる。「やらせてください!!」と言ったきり、彼は顔を上げようとしない。どこからか聞こえてくる笑い声に、ケイコはまたもイタズラを仕掛けられたことに気づく。戸田はどうやら別の生徒たちに強要されていたらしい。戸田はイジメに遭っているのではないか?この日を境に、ケイコは彼のことを気にかけ始めるのだが、そんなケイコも実は人には言えない秘密と孤独を抱えていた。それはやがて、学校中を巻き込む大きな騒動へと発展してゆくのだが・・・