神坂一の小説を原作にした人気アニメシリーズのTV版第3作。大陸を覆っていた結界が消滅し、外の世界との行き来が可能となった。外の世界からやってきたフィリアから、滅びの神託による世界危機を救って欲しいとの依頼を受け、リナたちの新しい旅が始まるのだった…。
■スタッフ
原作:神坂 一/あらいずみるい
掲載:月刊ドラゴンマガジン/月刊コミックドラゴン
発行:富士見ファンタジア文庫/角川書店
監督:渡部高志
シリーズ構成:神坂 一/高山治郎
脚本協力:ぶらざあのっぽ
キャラクターデザイン:あらいずみるい/宮田奈保美
モンスターデザイン:寺岡賢司
音楽:手塚 理/Vink3
美術監督:中原英統
音響監督:藤野貞義
オリジナルサウンドトラック:スターチャイルドレコード
■キャスト
リナ=インバース:林原めぐみ
ガウリイ:松本保典
ゼルガディス:緑川 光
アメリア:鈴木真仁
ゼロス:石田 彰
フィリア:桑島法子
ヴァルガーヴ:高木 渉
冥王の死によって、リナたちの「世界」を覆っていた結界が消滅してから数ヶ月後。セイルーンをはじめとする各国は、フィル王子の音頭で結界の外の世界に使節団を送ることを決定する。一方リナとガウリイは、差出人不明の手紙に誘われ、港町へとやってきていた。そこにアメリアやゼルガディスも姿を現し、騒動の予感が…。
意気揚揚とリナたちは外界へ向かって旅立つが、黄金竜との闘いで船に積まれていた食料を喪失、何日も漂流する羽目に陥ってしまっていた。リナたちはやっとの思いで街に漂着、九死に一生を得る。しかし、そこはグラボス率いる獣人軍団の脅威に晒されていた。腹を空かせたリナたちの怒りがグラボスたちに炸裂して…。
不承不承、世界の危機を救って欲しいという手紙の主、竜族の巫女フィリアの依頼を受けたリナたちは、まず火竜王の神殿を目指す。しかし世界の危機の実感がないので、一行の雰囲気は呑気そのもの。そんな時、ふと立ち寄った街で、かつて一緒に旅をしたこともある魔族ゼロスの姿を目撃する。なぜこんな場所にゼロスが…?
リナたちを待っていたのは、かつて倒した魔竜王ガーヴの腹心であるヴァルガーヴだった。ゼロスがこの地に現れたのも、ガーヴの仇であるリナを囮にすることで、ヴァルガーヴを誘き出そうとしたためだった。元は魔族ではなく古代竜の生き残りであるヴァルガーヴの力は強く、容易にダメージを与えることは不可能だったが…。
新たに加わったゼロスとフィリアは、リナたちが呆れるほど仲が悪かった。ある時ゼロスとの口げんかに負けたフィリアは、街に飛び出してしまう。だがその街はドラゴンに壊滅させられた過去を持つドラゴンを忌み嫌う街だった。グラボスたちの策略で、素性のばれたフィリアはドラゴン裁判に掛けられることになってしまい…。
火竜王の神殿を目指すリナたちは、竜族が太古の時代に作り上げた遺跡に辿り着いた。すると突然、リナたちの魔力に反応して遺跡の機能が復活。こともあろうに暴走を開始してしまう。実は遺跡は竜族の公共交通機関だった。レールに乗って加速を続ける遺跡は、その進路上に存在する町々を粉砕しながら突き進んでいくが…。
火竜王の神殿を壊してしまったリナたちは、その修復工事に駆り出されることになってしまった。一方フィリアは、リナたちの素養に疑問を抱く最長老たちに、彼女たちこそ迫りくる世界の危機を救うことができるのだと説く。懸命に神殿を立て直すリナたちの姿に最長老たちは人間を信じてみようと決断するが…。
火竜王の神殿に現れたアルメイスは、異界の魔王ダーク・スターが生み出した五つの武器をそろえることが目的であり、積極的な敵対意志は持っていないと告げる。この世界を争いに巻き込まないことを条件に、最長老はアルメイスの要求を呑もうとする。そこにアルメイスの行動を裏切りと判断したヴァルガーヴも現れて…。
リナたちはガウリイの持つ「光の剣」を始めとする、ダーク・スターの五つの武器を探す旅に出た。訊き込みで得た情報ではアルト国とバリトーネ国という犬猿の仲である国がそれぞれに魔道器が保管されているらしい。二手に分かれて魔道器を手に入れようとするが、リナたちは両国の争いに巻き込まれてしまうことに…。
融和を望むアルトの王女セーラとバリトーネの王子マルコと利害が一致したリナは、それぞれの魔道器を強奪した。しかしそこへグラボスたちが出現、「光の剣」を奪ってしまう。後ろからはアルトとバリトーネの軍隊が接近、事態は「前門の虎後門の狼」状態。そこでリナはグラボスたちを魔道器強奪犯人に仕立て上げるが…。
ダーク・スターの武器を探してコロネ山にやってきたリナたち。そこのガイドによればこの神殿は縁結びの神を祀っており、カップルでなければ拝殿は許されないのだという。ちょっとした言い合いからリナはゼルガディスと、アメリアはガウリイとカップルに。ぎくしゃくしながら神殿にたどり着いた四人を待っていたのは…。
「光の剣」の奪取に成功したジラスを追いかけるリナたちが辿り着いたのは、ヴァルガーヴの本拠地だった。彼女たちはそこで傷ついた体を癒すアルメイスと再会し、彼らの真の目的がダーク・スターを討つことにあると聞かされる。一方、別行動をとっていたゼロスは、ヴァルガーヴを訪問、魔族の一員に迎えたいと申し出て…。
魔族に引き込もうとするゼロスを拒否したヴァルガーヴはゼロスに瀕死の重傷を負わせた。そこに駆けつけたリナたちは、ヴァルガーヴの強大な力の前に叩きのめされた挙げ句に「光の剣」を奪われてしまう。二つの武器を手にしたヴァルガーヴは、世界を破滅させるためにダーク・スターを召還するゲートを開こうとして…。
いわれなき咎によって一族を滅ぼされ、ただ一人の理解者だったガーヴも失ったヴァルガーヴは神とこの世の全てを憎み、世界の一切を滅ぼそうとダーク・スターを召還しようとする。そして暗い復讐の炎は、ダーク・スターを召還してしまう。破壊衝動のみの存在である狂える異界の魔王ダーク・スターがその姿を現して…。
ヴァルガーヴとの死闘によって意識を失ったリナが目を覚ますと、そこは名も知らぬ島の砂浜だった。どうやら一人はぐれてしまったらしい。なんとかゼルガディスと再会したリナだが、この異常な世界からは抜け出すことが出来ない。悪意あふれる世界に頭に着たリナは、怒りのドラグ・スレイブを発射するのだが…。
ゼルガディスとフィリアと合流したリナは、残る二人を探すために海を渡ろうとする。だが乗り込んだのはオンボロ船。そこに出現した幽霊船に三人は移乗する。そんな彼女たちを待っていたのは、壺に封じ込められた幽霊船長だった。リナたちは、彼から船に巣喰い大切な壺コレクションを壊す悪霊の退治を依頼されることに…。
一人はぐれてしまったアメリアは半魚人たちの住む島に漂着、ライラという、人間のケレルと種族を超えた愛を育んでいる半漁人の女性に助けられる。だが、ライラの父は二人の仲を認めようとしない。事情を知ったアメリアは愛し合う二人のため、再会したガウリイを囮にしてガーディアンが守る秘薬を手に入れようとして…。
リナたちを探して旅を続けるアメリアとガウリイは、その道中で正義の味方ピースマンを名乗る五人組の老人たちと出会う。やる気は旺盛だが寄る年波には勝てず、老人たちは次々とリタイヤするハメに。そんな彼らの正義の心に感動したアメリアは、気乗りしないガウリイを巻き込んでピースマンの跡を継ぐことになり…。
いつものメンバーが揃ったリナたちは、世界の危機を救うための旅を再開する。その目的は、ダーク・スターの生み出した最後の武器を見つけることだ。同じ頃、ジラスは獣人の母子の元で傷を癒しながら新たな人生を生きようとしていた。しかし彼らの村に無数の怪物が襲来、さらにはそれを追ってリナたちも姿を現して…。
最後の武器を求めて、リナたちは水源が枯れ果て滅びを待つのみの鉱山街に立ち寄った。そこにアルメイスの仲間シーリウスも姿を現した。そんな状況の中、街を救う聖者の伝説を信じる少女アンナは、シーリウスを聖者だと思い込む。だが、彼は救うどころか武器を探そうとして街に壊滅的な破壊をもたらして…。
リナたちは竜族の神殿を発見した。結界は解除したフィリアたちが見たものは、さらなる結界と数限りないエンシェント・ドラゴンの亡骸だった。これこそヴァルガーヴの告げた竜族の罪であり、彼の憎悪の原点なのだ。最後の結界が解かれる時、歴史に秘められた「平和の名の下に行われた大量殺戮」の真実が明らかにされる…。
リナたちが神殿に辿り着くのを待っていたかのように、空を埋め尽くさんばかりの黄金竜の軍団が出現、事態は混迷の度を極める。異界の神族と手を組んだゼロスがフィリアを人質にして撤退を求めるが、最長老はいかなる犠牲を払っても現在の秩序と平和を乱すことはできないと言い放つ。そして彼らは凄絶な闘いに突入する…。
最後の武器「ガルヴェイラ」を手に入れたゼロスは、召還ゲートを完全に消滅させようとしていた。一時はアルメイスたちに協力する振りをしていたが、これこそが魔族の上層部から受けた指令だったのだ。一方、大急ぎで召還ゲートを目指すリナたち。そんな中、ゼロスたちの闘いによってゲートの制御に狂いが生じ…!
ゲートは完全に開かれつつあり、もはやダーク・スターの召還を阻むことはできない。リナ、ゼロス、異界の神族たちはダーク・スターを討ち、二つの世界を救うために手を結ぶ。頼みの綱はダーク・スターが生み出した五つの武器。リナたちの猛攻をもモノともせず、ダーク・スターは突然、飛び去ってしまい…。
死んだはずのヴァルガーヴが生きていた。彼はダーク・スターに消滅させられたのではなく、内部に吸収、いや同化されていたのだ。ヴァルガーヴはダーク・スターそのものと化していた。憎悪に震えるヴァルガーヴ=ダーク・スターは、火竜王の神殿を壊滅させてしまう。さらに世界の浄化を宣言し、一切を破滅させんとして…。
世界の滅亡は目の前に迫っていた。タリスマンによる魔力制御を封じられた今、重破斬(ギガ・スレイブ)は使用不能に。もはや打つ手はないと思われたその時、フィリアは神託の言葉が、神と魔の力を束ねる呪文であることに気がつく。彼の哀しみと憎しみを知るフィリアは戸惑う。しかし刻一刻と破滅の時が迫ってくる…!