地中から掘り出された『本』(=結晶化した死者の魂)は、過去神バントーラが作った神立バントーラ図書館に収められる。その管理を任された選ばれし人間“武装司書”。そんな彼ら武装司書が管理する世界に“神溺教団”が出現する。唯一絶対の教義に基づいて、すべての欲望を肯定するという彼らの目的とはいったい…?
“人は死ぬと『本』になる”世界…
■キャスト
ハミュッツ:朴璐美
マットアラスト:大川透
ミレポック:沢城みゆき
ノロティ:戸松遥
ヴォルケン:中村悠一
モッカニア:石田彰
ミンス:三宅健太
キャサリロ:広橋涼
イレイア:竹口安芸子
ユキゾナ:小西克幸
コリオ:入野自由
シロン:川澄綾子
ユーリ:佐藤利奈
カチュア:大木民夫
シガル:置鮎龍太郎
ガンバンゼル:納谷六朗
エンリケ:野島裕史
ウインケニー:野島健児
ニーニウ:能登麻美子
ルルタ:櫻井孝宏
■スタッフ
原作:山形石雄
イラスト:前嶋重機
監督:篠原俊哉
シリーズ構成:岡田麿里
キャラクターデザイン:山田正樹
プロップデザイン:橋本英樹
色彩設計:大西峰代
美術監督:池田繁美
撮影監督:北村直樹
特殊撮影:吉岡宏夫
3Dディレクター:ソエジマヤスフミ
3Dモデリング:平将人
編集:後藤正浩
音楽:平野義久
音響監督:本山哲
編集:後藤正浩
アニメーション制作:david production
OP:佐咲紗花「星彩のRipieno」
ED:結城アイラ「Dominant space」
人の記憶が『本』になる世界。死者の本を管理し世界の秩序を守る『武装司書』は、欲望を肯定し幸福を求める謎の組織『神溺教団』と有史以来、戦いを繰り広げてきた。武装司書を率いるハミュッツは、神溺教団に囚われた人々を解放するため、武装司書のヴォルケンたちに敵の本拠である白煙号を襲撃させるが…。
全ての記憶を失い人間爆弾として目覚めたコリオ=トニスは『本』を掘り出す町、トアット鉱山に現れる。標的は歴代最強の武装司書ハミュツ=メセタ。人間爆弾たちが爆死していく中、コリオは謎の男から本の欠片を渡される。その本に封じ込められた記憶を読んだコリオは、猫色の髪の姫シロンと運命的な出会いを果たすが…。
神溺教団の指導者シガルのテロ計画を阻止すべく、トアット鉱山に降り立つハミュッツ。投石器による遠距離射撃で街に潜入した人間爆弾たちを血祭りに上げる中、シロンの本を持つ人間爆弾のコリオの存在に強い興味を抱く。一方、武装司書のマットアラストとミレポックはハミュッツの命で神溺教団のアジトに潜入するが…。
シロンの未来予知を使ったシガルの罠が、世界最強と呼ばれたハミュッツの攻撃能力を奪い、その体を竜骸咳によって蝕んでいく。絶対の防御能力を持つ剣シュラムッフェンを手にしたシガルの一閃はハミュッツの体を切り裂き、戦いの巧者である彼女を追い詰めていく。勝利を確信し、嘲笑するシガルだったが…。
若き武装司書ヴォルケンが追憶の戦機ユックユックを奪い、失踪してしまった。反逆者となったヴォルケンに対して、同期として最も親しかったミレポックは動揺を隠せない。唯一の手掛かりは失踪前に彼が残した『ラスコール=オセロ』という伝説の人物の名前のみ。ヴォルケンの無罪を晴らそうとするミレポックだが…。
バントーラ図書館に招かれざる訪問者が現れた。黄金色の仮面を被ったその男は多くの魔法を操る不死身の襲撃者で、トップレベルの戦闘能力を持つマットアラストや、ミンス、ミレポックの三人をも圧倒し去っていく。襲撃事件の後、貿易港ブジュイに派遣された見習い司書ノロティは、ハミュッツより極秘任務を与えられて…。
肉として飼われ「笑顔」を失った少年エンリケは、真人、ガンバルゼルの導きで「怪物」になるべく神溺教団の訓練島に送り込まれる。ハミュッツを凌ぐ強さを獲得すべく魔術審議を続ける少年たちと、身の回りの世話をする少女クモラ。日々の厳しさの中でいつしか仲間意識を持ち始めた彼らを、過酷な運命が引き裂いていく…。
死を望む男ザトウが消え、バントーラ図書館を襲撃した「怪物」が現れた。防戦一方のノロティの前にミンスが駆け付け、「怪物」の正体を告げる。「黄金の怪物」と「死にたがりの男ザトウ」と「笑顔を失った少年エンリケ」。この三者の繋がりを知ったノロティは全てに決着をつけるべく、「怪物」に対して拳を叩きつける…。
ノロティとバントーラ図書館に帰還したエンリケを待っていたのは、武装司書たちの敵意に満ちた眼差しだった。「怪物」に仲間を殺された怒りをエンリケにぶつけようとするルイークたちを止めようとするノロティ。そんな中、真人ガンバンゼルがエンリケを「怪物」として迎え入れるべくバントーラ過去神島に潜入していた…。
ハミュッツに匹敵する強さを持ちながら、心を病んで図書館の地下書庫奥深くに引き籠ってしまった武装司書モッカニア。少年時代に過ごした家を模した部屋で暮らす彼の日常は、まったく予期していなかった訪問者によって破られてしまう。そして無数に現れる黒蟻の群れ。それは、ハミュッツたちに新たなる危機を告げる…。
モッカニアの反乱はバントーラ図書館を黒蟻の迷宮と変える。次々と蟻の餌食となる武装司書たち。イレイアの魔法権利によってモッカニアの動きを封じた間に、シュラムッフェンを手に入れたハミュッツはモッカニアの元に駆ける。シュラムッフェンの高笑いが響く中、神溺教団の擬人ウインケニーが静かにほくそ笑む…。
ハミュッツの右腕にして、元恋人であるマットアラスト。かつて15歳にして武装司書に昇進し、天才と称された若きマットアラストは世の中への反発から荒れた生活を続けていた。ある日、ハミュッツと出会ったマットアラストは、お互いの強さに惹かれ合う。程無く同棲を始めた二人は、フォトナの命で戦場に赴くが…。
芸術とシネマの都、フルベック。ラスコールを追って、霧に覆われたこの街にミレポックが現れた。かつてラスコールを追い、非業の死を遂げた大女優パーニィの本を探す中、ミレポックは神溺教団の裏切り者アルメと出会い、剣を交える。慕っていたシガルの復讐のためにラスコールを探すアルメはミレポックにこう言い放ち…。
三百年前に現れ、常笑いの魔女と称された伝説の未来予知能力者シロン。神溺教団の指導者ワイザフとの戦いを前にして、彼女は遥か未来を予知する…。死者の魂が『本』となり、『本』を読むことで死者の記憶が残された者に読み継がれる世界。人は願い続ける。「夢」を、「幸福」を、「愛」を…。
ミレポックによるラスコール追跡は袋小路に立たされていた。赤錆の剣の戦士アルメとの戦いを経て、己の弱さを実感したミレポックは精神的に追い詰められてしまう。一方のアルメもラスコールへの復讐も果たせず、己の力の無さに憤りを隠せない。脆くも儚い、そんな二人の少女をラスコールが静かに見つめていた…。
他人の魂を見る能力を持つ武装司書ミンスは、「赤本」と呼ばれる禁断の『本』を探して熱帯の街ガンダリを訪れた。「赤本」は異常犯罪者の妄想や快楽殺人者の記憶が詰まった『本』であり、読んだ人間は快楽で精神を破壊されてしまうとされる。捜査の中、ミンスは山賊を生業としていた時の相棒グレインと再会するのだが…。
追憶の戦機ユックユックを持ち出し、行方を消していたヴォルケンが戻ってきた。ハミュッツの不正を正し、バントーラに真の正義を取り戻すと宣言するヴォルケン。一方、バントーラに保護されていたレナスの体には異変が生じていた。混濁した彼女の意識上に現れ、肉体を乗っ取ろうとする「別の意思」はある言葉を呟き…。
レナスの中の「別の意思」の記憶を取り戻すため、ダライ鉱山へ向かうヴォルケンの前に、師であるビザクが立ち塞がる。年老いても未だ鋭いビザクの攻撃に苦戦するヴォルケン。一方、ハミュッツはレナスの中に封じ込められている「別の意思」の正体に気付き、マットアラストたちを残して一人追撃を開始するが…。
かつて肉たちを解放するべく戦ったレナスの中の「別の意思」。彼女がユックユックに込めていた「願い」を叶えるため、ダライ鉱山の山小屋を目指すヴォルケンたち。そこに執念とも言うべきハミュッツの投石器が二人を襲う。一方、ユックユックの元へ急ぐレナスの中の「別の意思」の前に神溺教団の放った人間爆弾が迫り…。
蒼淵呪病と呼ばれる伝染病を使った彼らの計画を掴んだノロティは、事件の発生を防ぎ首謀者を捉えることに成功した。その正体はアーキットという名前の少年であった。武装司書に対して深い憎しみを持ち、神溺教団に参加したという少年の心を開かせようと、ノロティはアーキットと神溺教団の総帥カチュアの元へ向かうが…。
バントーラ図書館と全世界の国々との激戦は続いていた。次々と現れる敵影を前に、事態の真相を掴めない武装司書たち。そんなバントーラ図書館を取り囲みつつある敵に対し、ハミュッツ自らイレイアと前線に出撃する。一方、エンリケは、ノロティがアーキットと行方を消した楽園管理者の待つ山荘へと向かうが…。
姿を現わした神溺教団の総帥カチュアは、神溺教団の降服を伝え、その対価として恐るべき交換条件をノロティに提案した。一方、ハミュッツたち武装司書はバントーラ島まで追い詰められ、籠城戦を続けていた。次々と武装司書たちが倒れる中、ハミュッツは生き残ったマットアラストたちと最後の戦いに討って出る!
神溺教団の真人でありながら、天国への反逆者としてカチュアの依頼のもとハミュッツにその根を摘み取られたとされる「菫の咎人」。その「菫の咎人」の行方を追い、ハミュッツが向かった地は、荒野の中に佇む廃墟と化した研究施設。「菫の咎人」を探す中、ハミュッツはかつてこの施設で過ごした若き日の記憶を思い出す…。
心魂共有能力と呼ばれる力を発現させた「菫の咎人」。相手の感情を思いのままに操ってしまうその能力に圧されながらも、ハミュッツは情け容赦なくその拳を振り上げる。一方、バントーラ図書館ではこれまでに無い異変が起こり始める。図書館の最深部に眠る「ある存在」が、その永き沈黙を破り活動を再開する…!?
二千年ほど昔。思い上がった人間を滅ぼすべく、未来神オルントーラは「終章の獣」を解き放った。対する人間は、十万人の戦士の『本』を「本喰い」の能力を持つ少年ルルタ=クーザンクーナに捧げ、神に対抗する救世主として忠誠を誓った。人々の期待を一心に受けた彼は、その責任の重圧に押し潰されそうになるが…。
ルルタの放った「涙なき結末の力」によって、世界は静止する。全ての人間が穏やかな眠りにつく中、ルルタの仮想臓腑内ではハミュッツの最後の戦いが始まっていた。神に匹敵する能力を持つルルタの攻撃がハミュッツを貫くが、その度にハミュッツは再生し復活する。驚くルルタに対し、ハミュッツの真の能力が明かされる…!
「滅びの意思」として世界中に「終章の獣」を放つニーニウ。一方ルルタの仮想臓腑の中では、ハミュッツを助けるために神溺教団との戦いの中で非業の死を遂げた者たちが集結する。全ての力を失ったルルタは仮想臓腑の外で目を覚ましたミレポックに協力を求める。世界中の人々の想いはニーニウを変え、世界を救うか…!?