原作者の司馬遼太郎が「維新の奇跡」と呼んだ男・坂本竜馬。土佐の下級武士の次男として生まれながら、飛びぬけた行動力と人間的魅力で維新の主役となり、絶対不可能と思われた「薩長連合」を成し遂げ、大政奉還によって誰も血を流さない革命を夢見た竜馬の颯爽とした生き方を、激動の時代に若い命を燃やした志士たちの群像と、竜馬を愛した女たちの姿をまじえながら描く。
夢はあるか。
■キャスト
市川染五郎
内山理名
井川遥
若村麻由美
室井滋
沢村一樹
的場浩司
前田愛
原田龍二
吹越満
高杉瑞穂
高橋和也
萩原流行
葛山信吾
山田純大
高嶋政宏
松たか子
松本紀保
藤本美貴(モーニング娘。)
石橋蓮司
中村梅雀
内藤剛志
渡辺いっけい
柄本明
橋爪功
藤田まこと
松本幸四郎
■スタッフ
監督:松原信吾、奥村正彦
脚本:長坂秀佳
原作:司馬遼太郎
坂本竜馬は天保6年(1835年)、土佐高知城下で生まれた。家は代々の豪商であったが、竜馬の曽祖父の時代、下級武士である郷士の株を買って分家している。土佐は、封建の世にあって、他藩と較べてもなお身分差に厳しい藩だった。家老の娘、お田鶴様に恋心をいだく竜馬だったが、顔を見ることもままならない。竜馬に剣を教えてくれた男勝りの姉、乙女も身分のことには口うるさい。「くそ、何が身分じゃ!こんな腐れ藩はおん出てやるわい!わしは江戸へ出て、身分なんぞハネ飛ばすでかい男になってやるわい!」19歳の春である。竜馬は剣術修行のため江戸に向かった。途中、大阪で辻斬りにあうが、その相手は同じ土佐で、竜馬より身分の低い足軽の子、岡田以蔵だった。大事な金を盗まれたが、足軽では藩から借金もできないと泣く以蔵に竜馬は親が用意してくれた五十両をすべてあげてしまう。それを見ていた男がいる。泥棒、寝待ノ藤兵衛。竜馬の人間にほれ込んだ藤兵衛は、勝手に子分になることを宣言し、旅の道づれとなる。藤兵衛の紹介で投宿した伏見寺田屋の女将、お登勢も竜馬の人柄に魅せられ、以後寺田屋は竜馬の定宿となる。江戸に着いた竜馬は桶町の千葉貞吉道場の門をたたくが、時代は竜馬に剣の修行だけをさせてはくれなかった。黒船がやってきたのだ。恐怖で騒然とする人々のなかで、竜馬の反応はちがっていた。「でっかい!まるで鉄のクジラじゃ!あんな船に乗ってみたい!」黒船に怯える幕府の弱腰に怒った若者たちの間には、尊王攘夷思想が膨らみつつあった。土佐藩の江戸藩邸でも、竜馬の親戚にあたる武市半平太が若者たちをまとめ、ひとつの勢力となっていた。竜馬も単純に尊王攘夷に染まっていくかに思えた。最初の留学期間が終わり、土佐に帰った竜馬に父の八平が思いがけぬことを告げる。「世は変わる。これからの世を治めるのは“武”ではのうて“商”じゃ。」竜馬の中になにかが芽生えていく。ふたたび江戸に出た竜馬は、水野播磨介という公家侍と知り合う。倒幕をめざす公卿に届ける密書を運んでいた播磨介は、追っ手が迫ると密書を竜馬に託し、自ら追っ手に切り込んで行き、惨殺されてしまう。「大儀」のために命を捧げた播磨介の勇気に感動した竜馬だったが、次の瞬間、違うものがはじけた。「ちがう…わしはちがうと思うぞ…命より大事なものなんか、この世にないわい!」