五千年ものあいだ洞窟に潜んでいた、凶悪な容貌の竜。その正体は── 草や木の芽が大好物の、お人好しすぎる草食ドラゴンだった! 元生贄の少女・レーコは、そんな彼を最強の邪竜と思い込み、今日も崇拝してやまない。強すぎる思い込みによって自分自身が最強の力を得たとも知らず……。 魔王討伐を目指す一匹と一人は、レーコがぶち抜いた岩山のトンネルを通ってアスガ王国へ。たどり着いた王国では、国王・ヴァネッサとその妹・ロゼッタの間に、王位を巡る陰謀が動き出していた!
■キャスト
草食ドラゴン:大塚芳忠
レーコ:悠木碧
ヴァネッサ:石川由依
ロゼッタ:野口衣織(=LOVE)
エドワルド:石谷春貴
プラバス,謎の男,漆黒の血の団長,漆黒の血の女:茶風林,天﨑滉平,永塚拓馬,櫻井もも(≠ME)
■スタッフ
監督:劉思文
製作会社:LAN STUDIO
原作:榎本快晴『齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定』(角川スニーカー文庫刊)
アスガ王国を目指す草食ドラゴンとレーコ。行く手を阻む岩山を超えるには、風穴を通るしかなさそうだ。ところが、風穴の番人が通行料を求めてくる。草食ドラゴンが大人しく引き返そうと言うのも聞かず、レーコは持ち前の力を発揮。一瞬にして新しいトンネルをブチ抜いてしまう。
王国の騎士・エドワルドに、邪竜として追われる草食ドラゴン。袋小路に追い詰められたその時、もう一匹の竜が市街地に現れた! 竜が姿を消すと同時に、エドワルドのもとに、国王が行方知れずになったとの報せが届く。その国王・ヴァネッサは、なぜか草食ドラゴンのもとに姿を現し……。
草食ドラゴンを邪竜として崇める秘密結社・漆黒の血。彼らが魔石を集めて作った魔法陣は、眷属だと偽る謎の男の指示によるものだった。騙されたと知った漆黒の血の団員たちは、魔石の回収に向かう。草食ドラゴンはヴァネッサに、一連の騒ぎの真相を、国民に説明してほしいと頼む。
妹・ロゼッタへの王位継承を望むヴァネッサ。そのロゼッタは「忌み子」とも噂される暴君だった! 王冠を手に入れた途端、高笑いで姿を消すロゼッタ。ヴァネッサはエドワルドに促され、演説を行って国民を安心させる。その頃、漆黒の血のアジトが急襲を受けていて……。
ロゼッタを迎えに現れた謎の男は、自分こそが真の邪竜レーヴェンディアに仕える者だと名乗る。真の邪竜の実在を確信した草食ドラゴンは、漆黒の血を解散させ、レーコとの旅も終わりにしようと決意する。しかし、レーコはいつもの勘違い。漆黒の血は新・漆黒の血に生まれ変わり、あくまで戦うことに決まる。
漆黒の血の団員たちに崇められ、かしずかれる草食ドラゴン。そこに、ヴァネッサが助けを求めてやって来る。ロゼッタが王宮の地下墓地に逃げ込み、内側から鍵を掛けてしまったというのだ。ロゼッタは邪竜レーヴェンディアを召喚するために、先祖である大魔導士・プラバスの墓を暴こうとしているらしい。
ロゼッタは地下墓地で、大魔導士・プラバスを復活させた。そのプラバスは、草食ドラゴンの正体が竜に似た温厚な生き物・タイザンカタリトカゲであると見抜く。草食ドラゴンが納得していると、プラバスは、レーコが大魔導士である自分よりも強大な魔力を持っているのは屈辱だと怒り出し……。
レーコが連れてきた水の聖女は、セーレンで崇められたおかげで、水と豊作の神に昇格していた。彼女によると、魔石を使えば人々の魔力を集められるらしい。ロゼッタとプラバスは、謎の男と手を組み、民衆の恐怖を集めて本物の邪竜を復活させようとしているのかもしれない。そこで草食ドラゴンは、あることを試みる。
草食ドラゴンは、地下墓地でヴァネッサと再会。二人は、復活したプラバスが偽者であると突き止める。その正体は、屍を食らい生前の姿に化ける魔物だったのだ。その頃、漆黒の血のアジトが襲撃を受け、魔石の一部が奪われていた。怒りのレーコは、非力な団員たちを特訓で鍛えると決める。
偽プラバスを捕えた草食ドラゴンとヴァネッサ。しかし、邪竜は姿を現した。不完全な出来損ないだと偽プラバスは言うが、ロゼッタは意に介さない。誰からも理解されない強者であり続けるため、役に立ってくれるのであれば、どんな存在であっても構わないというのだ。それを聞いたヴァネッサは……。
巨大な邪竜が姿を現し、謎の男の操り人形となってアスガ王国を蹂躙する。レーコの攻撃すら通用しない強さの源は、人々の恐怖の感情。街を破壊すればするほど恐怖が呼び起こされ、とめどなく力を増していくのだ。草食ドラゴンは偽プラバスからの助言で、邪竜から魔力を奪おうとするが……。
人々の信じる力によって姿を変え、邪竜に立ち向かう草食ドラゴン。その頃、ヴァネッサは、謎の男によって森の中に誘い込まれていた。命を奪われようとするその時、敵対を続けるロゼッタも姿を現す。しかし、ヴァネッサの勇気ある振る舞いは、絶対的な力を求め続けてきた妹の、頑なな心をも変えていた。