蜀山派は江湖の名門として武林を率いてきた。蜀山派の掌門は天下を守るため、赤魂石を奪おうとたくらむ緑袍尊者に対抗。猟師の丁大力は暮らした村が虐殺され、蜀山派に助けられた。偶然に体内に赤魂石を納めた丁大力は記憶を失い丁隠として蜀山の門下で剣を習うことに。ある日丁隠は、死んだはずの妻にそっくりな緑袍の娘・玉が現れ2人は恋に落ちる。玉に蜀山派の“南明离火”神剣を取られたため、丁隠は他の神剣を探すことを命じられた。果たして、丁隠と玉の運命は……
■キャスト
チャオ・リーイン
ウィリアム・チャン
ニッキー・ウー
ガオ・ウェイグァン
■スタッフ
演出家:ヴィッキー・ウォン
リャン・グオグァン「後宮の涙」
スー・フェイ
脚本:マー・イェン
リー・ジンリン
ジャン・ライ
リン・リーイン
プロデューサー:ニッキー・ウー
蛮族の魂が封じ込められた赤魂石は、24年に一度活性化して民に災いをもたらす。数千年の時を経て石を守る蜀山剣派(しょくざんけんは)・諸葛馭我(しょかつぎょが)の元に蜀山三傑の一人、警我(けいが)が変わり果てた姿で現れる。一方、下界の臥雲村(がうんそん)でも丁大力(ていだいりき)がこの石の力を持て余していた。
臥雲村が魔宗に襲われ、大力の愛する妻・玉が姿を消す。憤慨する大力は気づくと餡餅(しぇんびん)と蜀山にいた。一方で蜀山三傑が分裂し、警我が片腕を失い変貌していく過去も解き明かされる。魔族の血をひく警我は危険を冒し、屠媚(とめい)を利用して屠覇(とば)に近づこうとする。
馭我は警我と結託し屠覇を破ろうとするが、警我の破天荒な行いを庇いきれず、白眉真人(はくびしんじん)を始めとする蜀山剣派は警我を伏魔谷(ふくまだに)へ追放する。傷つき蜀山への憎しみを募らせる警我。一方臥雲村へ戻った大力は、焼け跡で玉へ贈ったかんざしを拾い上げ顔を曇らせる。
臥雲村で妻の死を確信した丁大力は、必ず妻の仇を討つと決意する。一方、諸葛馭我は魔宗宗主緑袍尊者(りょくほうそんじゃ)と化した上官警我と24年の歳月を経て太元湖(たいげんこ)で再会する。緑袍は赤魂石を奪おうとするが、丁大力が割り込み、諸葛馭我の体内から出た赤魂石を吸収する。
赤魂石を吸収したまま蜀山入りした丁大力から石を奪おうと、中原には魔宗が度々姿を現す。丁大力の元へ緑袍が召喚した新しい手先の女、玉無心(ぎょくむしん)が妻を装い近づくが、赤魂石の力で記憶を失った大力は死んだ妻と瓜二つであることに気づかない。
諸葛馭我は緑袍上官警我と陰風谷(いんふうだに)で語らうが、和解できず争いが勃発する。血影神功(けついんしんこう)の術を会得した丁大力は、丁隠(ていいん)として赤魂石を操る力を身につける。赤魂石は容易に奪えないと悟った緑袍警我は丁隠らを逃がし、玉無心に自らの正体を明かすのだった。
緑袍として蘇った上官警我の過去が明かされる。諸葛馭我と争い、命を落としかけたところを屠覇に救われたのだ。屠覇は警我に呪いをかけ、南明離火剣(なんめいりかけん)の奪還を命じるが、警我は赤魂石を得ることに執念を燃やす。
丁隠は勤勉に修行に励むが、張餡餅にそそのかされ禁断の地、伏魔谷へ足を踏み入れる。そこで警我と素因が遺した血影神功の壁文字に体内の邪気が反応し、赤魂石の力で五鬼天王(ごきてんおう)の封印を解いてしまう。逃げ出した五鬼は玉無心に一目惚れして魔宗の一味と化す。
丁隠は赤魂石の持つ力に抗えず、夜更けに蜀山を抜け出し伏魔谷を訪れ、大暴れし張餡餅に瀕死の重傷を負わせてしまう。金蚕の術を放つ魔宗に下界の民は苦しみ、蜀山の掌門らが策を練り助けに向かう。そんな中、蜀山に残るよう言われていた丁隠の元へ…
金蚕の術の正体を探るため、偵察に出ていた琪児(きじ)と青雲は摩宗に襲われ、青雲が瀕死の傷を負う。蜀山から駆けつけた丁隠は青雲を連れ、素手医仙(そしゅいせん)へ助けを求める。謎の女素手医仙は驚いたことに上官警我の妻、素因であった。青雲は一命を取り留める。
下界では魔宗の放つ金蚕の術が猛威を振るい、民は苦しめられていた。素手医仙の助けで金蚕の毒に烏風草(うかぜくさ)が効くとわかり、蜀山掌門諸葛馭我は、危険を承知で丁隠を謫仙潭(たくせんたん)に向かわせ、烏風草を採ってくるよう命じる。丁隠ら一行は掌門に見送られ旅立つ。
謫仙潭へ向かう途中、魔宗に襲われた丁隠らを玉無心が救い、玉は負傷する。傷を負った玉を庇う丁隠と、仲間の間に亀裂が生じ、丁隠は玉と二人きりで謫仙潭へ入る。山の主、巨大蛇との死闘の果てに丁隠らは烏風草を手に入れるが、またしても玉を見失う。
目の前に幾度となく姿を現しながらも、丁隠を傷つけるばかりの玉を丁隠は信じようとする。一方素手医仙は実娘の玉を前に、素性を明かせず苦しみ、そんな母に疑いの目を向けながらも玉は敵意を見せない。生還を果たした玉に魔宗の父は次の使命を授ける。
百草(ひゃくそう)仙人が烏風草から失血症の特効薬を完成させ、掌門・諸葛馭我は己も蜀山を去り、民の救済に向かうことを決意する。丁隠も同行を求めるが、今回は蜀山に残るよう馭我から諭される。そして蜀山に残り修行に励む丁隠の元へ、またしても玉無心が近づき…
玉は剣陣を破ろうとしているところを丁隠に助けられ、再び蜀山へ潜り込む。掌門不在時に蜀山を守る妙一(みょういち)は、玉の素性を見抜くが追い出しはせず、丁隠と玉の様子を見守る。父の警我から託された使命と、恋心の狭間で心揺れる玉は、改心できるのか…
丁隠と玉無心は蜀山で穏やかな日々を過ごすが別れの時が迫る。一方、蜀山の内情を緑袍に告げる謎の内通者の存在が露わに。蜀山の掌門候補丹辰子(たんたつこ)だと知った紫英(しえい)は信じられない思いで丹辰子を問い詰めるが、丹辰子は容赦なく紫英を崖から落とす。
玉無心は丁隠に蜀山を発つと告げ、丁隠に共に来てほしいと望む。玉と共に蜀山を離れることを決心した丁隠を守りたい一心で張餡餅は阻止する。玉の侵入に気づいた琪児らが、剣峰山で玉を討とうとするが、南明離火剣(なんめいりかけん)が魔宗であるはずの玉を守り、丁隠は…
蜀山での騒動の後、玉無心は陰風谷(いんふうだに)に、丁隠は蜀山に幽閉される。丁隠を励まそうと、青雲(せいうん)は思わず丁隠を好きだと口走る。南明離火剣が奪われた蜀山では結界の封印が弱まり、掌門は新しい使命を弟子たちに託すと同時に罠を仕掛け、内通者の正体を探り始める。
南明離火剣を失った蜀山結界の封印を強化するため、諸葛馭我は丹辰子らに神剣を探し求める旅を命じ、張餡餅も同行する。蜀山とのしばし別れを惜しむ四人の元へ掌門が丁隠を連れ、激励に現れる。青雲は驚きながらも丁隠に告白を聞かれたのではと動揺する。
丁隠も加わり、下界で五人の剣探しの旅が始まった。一方掌門の策にかかった屠媚は蜀山に捕らえられ、内通者の正体を明かし殺してしまう。本当に彼が内通者なのか疑念を抱く諸葛馭我。玉水鎮(ぎょくすいちん)で陶然居(とうぜんきょ)を探す途中、青雲と紫英が馬賊にさらわれ姿を消す。
丁隠たちは赤星百煉の霊珠を持つ馬賊の頭の馬元龍と死闘を繰り広げ、青雲と紫英らを含む捕らわれた女たちを救いだし、馬元龍の肉体を滅ぼす。緑袍警我は自ら蜀山へ向かい、屠媚を救いだす。傷が癒えた玉は勇気を振り絞り、初めて警我に逆らうが…
丁隠を苦しめたくない、復讐を止めて―玉の渾身の願いは父警我へは届かず、玉は陰風谷から南明離火剣を持ち出し、姿を消す。一方、丁隠一行はようやく陶然居へ辿り着き、思いがけず青雲は産みの親と再会を果たすが、出生の秘密を知り顔が曇る。
青雲も玉と同じく天域魔宗の血を引く娘であった。その事実を受け入れられず、ふさぎ込む青雲。丁隠にも自分の想いを伝えられず、生母の範小雪(はんしょうせつ)にも何かと辛く当たってしまう。心配した範氏が、青雲の好きな人が丹辰子らと勘違いしたため騒動が勃発。
丁隠らは、書物から神剣の行方を追うため蔵経閣(ぞうけいかく)に入らせてほしいと範氏に頼むが、範氏はなかなか首を縦に振らない。青雲の縁談話にかこつけ、大荒八魔が陶然居を襲う。丁隠らも加勢して大荒八魔を退治し、青雲は範氏を母と認めるのだった。
蜀山一派は範氏の力添えで蔵経閣に入れてもらい、剣術や赤魂石のための書物を授かる。三本の神剣の在り処がすべてわかった。一方天域では、陰風谷へ屠覇が姿を現し、南明離火剣を蜀山から奪ったことを知らせなかった警我を問いただす。だが、警我は最終目的は赤魂石であり、そのために屠媚と玉が南明離火剣を携え赤魂石奪還にむかっていると屠覇に息巻く。
警我は自分を牽制しようとする屠覇に歯向かおうとするものの、あと一歩のところで腹心の九毒の裏切りに遭い、蝶王(ちょうおう)を奪えずに屠覇に痛めつけられる。武当掌門のところでは、紫英が丁隠を誘惑し、青索剣を盗むようそそのかすのを玉と五鬼天王(ごきてんおう)が目撃する。
紫英は武当掌門に化けた屠媚の術にかけられ、丹辰子を誘惑し青索剣を盗ませ罠に陥れる。更に屠媚は西域の妖僧天域法師と手を組み蜀山一派に襲いかかる。玉と五鬼天王は岩壁の中に幽閉された本物の武当掌門らを見つけ、丁隠らを救いに行こうとするが…
武当と玉無心、五鬼は協力し、屠媚と天域和尚が張った結界を破り丁隠と丹辰子を助けだす。張餡餅は邪気に冒された紫英へ生き血を与え、命を救う。玉は丁隠に面会を求めるが、ようやく現れた丁隠は玉の告白に対し、『二人の縁はここまで』と冷たく言い放つ。
蜀山一行はようやく本物の武当掌門の導きの下、翠屏峰(すいへいほう)へ神剣を探しに向かう。道中で丁隠は五鬼の術にかかり、青雲の目の前で、玉に気のあるそぶりを見せてしまう。傷つき丁隠から離れた青雲に剣霊が近づき、青雲は剣霊に試され、無事に青索剣を手にする。
青索剣を得た丁隠らは青崇山(せいすうざん)へ神木剣を探しに向かう。何故か玉無心も同行し、一行は余明嬢(よめいじょう)の歓待を受ける。一方馭我は山中でようやく素因と再会を果たす。素因は警我と一体化しており、屠覇に追われる二人を馭我が助けるものの、素因の意識が戻らない。
警我は馭我に、素因と一体化した理由を明かす。師弟の絆を取り戻しつつある二人へ、屠覇の追撃の手が迫る。一方青崇山で神木剣を探す丁隠らは、余明嬢が仕掛けた罠にかかり、青雲と玉無心が毒針に刺されてしまう。解毒剤は一人分のみ、どうする丁隠…
丁隠は解毒剤を青雲に飲ませ、玉のことは自分の身を挺して救おうとする。そこへ小蝶(しょうちょう)が駆けつけ、全員一命を取り留める。小蝶は母親の余明嬢が神木剣を折ったのは、謎の失踪を遂げた父親のせいだと丁隠らに明かす。一方余明嬢は、張餡餅へ秘薬を渡し…
一行は神木剣修復のため烏鷺居士(おろこじ)の下を訪ねる。居士が明かす父親失踪の真実に涙する小蝶。丁隠は赤魂石の力で神木剣を修復する。一方馭我と警我へ屠覇が襲いかかる。良心に抗えず秘薬を使った張餡餅は紫英に刺され、紫英を庇い逃げる途中、虎に狙われ…
血痕のついた衣類と紫英の剣を残し、張餡餅は姿を消す。紫英が刺し殺したと疑う丁隠は衝動的に仲間のもとから離れ飛び出す。後を追う玉。そこへ屠覇が現れ、丁隠から強引に赤魂石を引き出そうとする。警我、馭我が阻止しようと屠覇と死闘を繰り広げる。
瀕死の傷を負った警我の身体から素因が分離して姿を現し、溶血の陣を用い赤魂石の力で警我と丁隠を繋ぎ合わせ、再び姿を消す。目覚めた警我は止めなかった馭我への憎しみをぶつけ、陰風谷へ戻る。そこへ真の内通者として訪れたのは、蜀山の公孫無我だった。
目覚めた丁隠は玉への永遠の愛を誓い、二人は結ばれる。しかし五鬼の罠にかかり、玉は陰風谷へ連れ戻されてしまう。丁隠は焦るが、掌門と交わした約束を思い出し、最後の神剣 紫郢剣(しえいけん)を求め莽蒼山(もうそうさん)へ向かう。そこでは素手医仙が幽冥剣を封じようとしていた。
玉は警我の水晶石から、素手医仙が実の母親であると見抜く。丁隠らが素手医仙と莽蒼山へ入るや否や、幽冥剣(ようめいけん)の剣霊と思われる山賊の風貌をした男が襲いかかってくる。そこへ玉が素手医仙を連れて現れる。素手医仙が二人?どちらが本物なのか…
丁隠らと一緒にいた素手医仙は、玉の攻撃を受け屠媚の姿に戻る。屠媚は本物の素因と対峙し、警我の心が自分に向いていないことを悟る。傷ついた屠媚は警我に思いのままをぶつけ、二人は揉み合いになり…。そして、丁隠も姿を消していまう。
蜀山一同は本物の紫郢剣の剣霊を発見し、紫郢剣も紫英の手に渡った。張餡餅のお守りが結んでくれた縁だ。丁隠と張餡餅以外の青雲ら三人は、三本の神剣を携え蜀山へ戻る。玉は瀕死の丁隠を救い、五鬼へ嫁ぐ約束と引き換えに血飲刀を持たせ陰風谷から見送る。
蜀山へ戻った紫英と青雲は紫青双剣(しせいそうけん)の稽古に励むが、紫英の体調が思わしくない様子。陰風谷では、緑袍が五鬼へ蜀山との最終対決を手伝うよう持ちかける。
蜀山内部の異変に気づいた丁隠と丹辰子は公孫無我が内通者ではと疑い始めるが、証拠が見当たらない。丁隠は軟禁され、その隙を狙い魔宗が天門峰の結界を超え、緑袍が蜀山へ攻め込む。掌門自らが緑袍と一騎討ちを始め、蜀山全体を揺るがす戦いが幕を開けた。
丁隠の赤魂石の力で、降魔塔で大暴れしていた悪霊を再封印できたが、この戦いで妙一が命を落とす。怒りに震える丁隠は、緑袍と真っ向から対峙するが、五鬼に見せられた玉の幻覚に気を取られ、陰風谷へ捕らえられる。そこで緑袍が驚くべき真実を明かす。
蜀山の大戦で丁隠がとどめを刺し、緑袍と素因は命を落とす。泣き崩れる玉。自らも瀕死の重傷を負った丁隠は赤魂石の力で死の淵から蘇り、丹辰子に連れられ蜀山へ戻る。蜀山へ戻った丹辰子は、紫英が張餡餅の子を宿していたという衝撃の事実に愕然とする。
張餡餅の子を宿したが産むことができなかった紫英は丹辰子に、涙ながらに真相を打ち明けるが、丹辰子は受け入れられない。公孫無我は諸葛馭我の前で本性を現わし、積年の恨みをぶつける。混乱の中、諸葛馭我は丹辰子を新掌門に丁隠を長老に命じ崩御する。
点蒼峰(てんそうほう)の長老になった丁隠は禁忌を破り、血影神功の術を弟子たちに修得させ、蜀山の戦力を強化すると息巻き、反対する新掌門丹辰子と対立し始める。陰風谷から戻って以来、人が変わったかのように傍若無人に振る舞う丁隠の姿に、青雲は戸惑いを隠せない。
豹変した丁隠の暴走は止まらず、巧みに策を講じて新掌門となった丹辰子を弾劾し、凝碧崖(ぎょうへきがい)に幽閉する。その上、紫英を手先として操り、丹辰子を死に追いやった上で公孫無我を新掌門へ仕立てあげる。
丁隠が邪気に呑まれた原因は、血影神功と赤魂石の力で死の淵から蘇ったことが関係していた。丁隠は陰風谷へ決闘状を送りつけ、青雲は玉へ助けを求める。丁隠は血影神功を修得した弟子たちを連れ、陰風谷へ発つ。世にも恐ろしい大戦が始まろうとしていた…
暴れる丁隠の胸を青雲が涙ながらに刺し、赤魂石は空へ砕け散る。残った半分の石へとどめを刺そうとする青雲を玉が制し、もう一度だけ丁隠を信じてあげてほしいと懇願する。大戦は幕を閉じ、深い眠りについた丁隠を目覚めさせるため、玉は丁隠を連れ旅立つ。
丁隠を連れ旅立った玉は、思いがけず張餡餅と再会する。張餡餅は丁隠に治療を施すが、丁隠は固く心を閉ざしたまま。蜀山では栖霞峰(せいかほう)を公孫無我が封じ、戻ってきた暁如(ぎょうにょ)らも公孫無我の正体に気づき憤慨する。青雲と紫英は、玉に助けを求めにいくが…
張餡餅の助けもあり、意識を取り戻した丁隠。最初は玉を拒絶するが、玉に愛されていた記憶を取り戻し、二人は婚礼の儀式へ。そこへ青雲と紫英が助けを求め訪ねてくる。蜀山にはもう関わりたくないと突き放す丁隠だが、玉に説得され一同は天域辺境へ旅立つ。
天域辺境の結界を越えた後、蜀山一同は硝子のように脆い骨と身体を持つ娘を救う。娘は屠覇の娘、屠夢(とむ)であった。玉は屠夢に天域へ来た理由を明かし、屠覇のいる神魔宮へ潜り込むことを企てる。そんな中、青雲が突然倒れたことが原因で、丁隠は玉と離れる。
皆の探し求める赤魂石の欠片は、屠夢の体内に隠されていた。出生の秘密も明かされ、屠夢と玉無心は異母姉妹であった。屠夢の赤魂石の力で警我が蘇る。蘇った警我は邪気を手放しており、世の平和を守ると姉妹に告げる。公孫無我が神魔宮に現れ、屠覇を殺す。
改心した警我は、丁隠を助け共に公孫無我を討とうと告げるが、丁隠は警我を許せぬ様子。公孫無我に捕まり、血人形の術に操られた張餡餅は、紫英を殺してしまう。蜀山の大戦を控えた前日、玉と丁隠は互いの想いを確かめ合う。
蜀山の行く末を賭け、公孫無我との戦いが始まった。無我は、凌雲峰の地下へ赤魂石と共に封印される。だが、同時に赤魂石を宿す丁隠と警我も深い眠りにつくことに。悲しみに暮れる玉だが、愛する者たちが命を懸けて遺してくれた平和を守り抜くと決意する。