19世紀末のイタリアの町・トリノに住む心優しい少年・エンリコは、個性豊かな友人たちと過ごしながら、学校や生活の中でさまざまなことを学んでいく。やがて、空想することに無限の可能性を感じるようになったエンリコは、自作の物語を日記に綴り始める。
名作「母をたずねて三千里」と同じ原作から生まれた、もうひとつの感動ストーリー
■キャスト
エンリコ:藤田淑子
アルベルト:柴田秀勝
アドリアナ:斉藤昌
シルビア:黒須薫
ペルポーニ先生:寺島幹夫
デロッシ:鈴木れい子
ガルローネ:丸山裕子
ロベッティ:鵜飼るみ子
校長先生:水鳥鉄夫
■スタッフ
原作者:エドモンド・デ・アミーチス
原作:クオレ
受賞暦 その他:1981年厚生省児童福祉文化奨励賞
脚本:中西隆三/佐藤道雄/石井喜一
音楽:服部克久
場面設定:ー
キャラクターデザイン:熊田勇/白梅進
作画監督:野部駿夫/石之博和
美術監督:河野次郎
美術設定:ー
プロデューサー:遠藤重夫
演出:岡部英二
小学4年生へ進級するエンリコ少年だが、今まで担任であった優しいベルカーチ先生がエンリコ少年の担任を外れる事になってしまった。新しい担任の先生は厳しいと評判のペルボーニという先生だった。そして先生の噂におびえてしまい学校に行きたくないと弱音を吐いてしまうエンリコ少年。
友達のガルローネやデロッシーと学校へ行く途中の道で、突然辻馬車が暴れ出した。馬車は登校する生徒達に向かって突っ走る。その馬車の前に一年生の子が飛び出した。それを見た同級生のロベッティーが…。
同級生のクロッシは家が貧しく、毎日お母さんの野菜売りを手伝っている。試験の日、フランチ達が答案を見せなかったとクロッシをいじめた。お母さんの悪口まで言われて怒ったクロッシは思わず手元のインク瓶を投げつけた…。
山のような宿題が毎日続く。エンリコは入院中のロベッティーにその日の事を教えて、夜猛烈に取りかかった。しかしエンリコは作文の途中で寝てしまい宿題を終える事ができなかった…。
エンリコ達のクラスに転校生が来た。南イタリアのカラブリア地方から引っ越してきたコレッチという少年。例によってフランチ達がいじめにかかった。それを見たペルボーニ先生は勉強を辞め、パドヴァの少年愛国者の話をした。
ガルローネが学校を休んだ日、フランチ達は体の弱いネルリをいじめていた。元気なガルローネさえ二年間も病気で学校を休んでいたと知ったネルリは初めて体操の時間に参加した…。
両親が出かけてしまい、留守番することになったエンリコ少年とシルビアとニーノ。そこへ煙突掃除人が来た、しかしブラシを担いで来たのは屋根にも登れそうにないかわいい子供だった…。
バルドック通りを群衆が埋め尽くし、その大歓声の中、国境地帯の守備についていた軍隊が帰って来た。しかしなぜかその光景を見て、校長先生が涙を流していた…。
ウンベルト国王がトリノにやって来ることになった。コレッチのお父さんは昔、国王が若かった頃同じ部隊に居たのだがクラスメイトは信じなかった…。
左官屋の息子アントニオは勉強があまり好きではない。お父さんに期待をかけられている事をを知ったアントニオは、みんなに励まされテストで100点を取ることができた。お父さんに知らせようと喜んで家へ帰るアントニオだが…。
商売人とあだ名されるくらい金儲けがうまいガロッフィはアルバイトで貯めたお金を持って新しい切手を買いにでかけた。ところが運悪くフランチとばったり出会ってしまった。あわてたガロッフィは目の前の教会に駆け込んで、ドアの裏にお金を隠したが…。
炭屋の子ベッチはヴォッチーニとカルロ・ノビスにお父さんの事で馬鹿にされた。ベッチの優しい心は深く傷ついた。翌日ベッチは学校を休んでしまう…。
かねてからペルボーニ先生が約束してくださっていた、母をたずねて三千里を聞かせていただくことになった。出稼ぎに行ったまま便りの途絶えてしまったお母さんを捜しに、一人イタリアからアルゼンチンまで探しにいったマルコ少年を待っていたものとは…。
はるばるイタリアからお母さんを探しにアルゼンチンまで来たマルコだったが、その街にはいなかった。船の中で知り合った老人に助けられコルドバまで辿り着いたが、お母さんは800キロも離れたツクマンに行ったという…。
学校で宿題を集めた時だった、プレコシの宿題には焼けこげの跡があった。エンリコ達はガルローネからそんなプレコシの意外な事実を聞いた。プレコシは毎晩飲んだくれのお父さんから殴る蹴るのひどい仕打ちを受けているという…。
怪我をしたお父さんを助けて、プレコシは一生懸命働いた。その疲れで授業中に居眠りをしてしまう。うさぎ小屋の修理をしないで途中で帰ったプレコシをノビス達は虐めた。訳を知ったペルボーニ先生はエンリコ達にお話を聞かせてくれた。
デロッシから借りた発明王エジソンの本が昼休みの間に無くなっていた。その本をフランチがスタルディーのカバンの中から見つけた。呆然とするスタルディーにフランチが詰め寄る…。
一学期が終わり、楽しい夏休みがはじまった。エンリコ達はさっそくポー河に魚釣りに出かけた。ところがそこへフランチ達が泳ぎにやってきて…。
今年の夏休みもエンリコ一家はアルプスの別荘へやってきた。そこでみつけた古新聞に、お父さんが小学校の時の先生の記事がのっていた。近くの街に住んでいるということを知り訪ねることに…。
楽しい夏休みを山荘で過ごしていたある日の事、一通の手紙が届いた。それを見たお父さんは急にトリノに帰ると言いだした。帰ってみると街では奇妙な噂が子供達の間に広がっていた…。
トリノの街にサーカス一座がやって来た。年に一回の興行で、ロンドンサーカスの人気は沸騰した。ところが、もうひとつちっぽけなサーカス小屋が建った。その前で幼い少年が泣いていた…。
六年ぶりにお父さんがアメリカから帰ってくるという知らせがクロッシの家に届いた。ところがフランチが急にクロッシにあたりはじめた…。
一日遅れでクロッシのお父さんが帰ってきた。お父さんからアメリカのお土産でもらったというインクスタンドをみんなに見せて喜びクロッシ。翌日、エンリコとデロッシは教会で神父さんから昔世話をした囚人からもらったというインクスタンドを見せてもらった、そのインクスタンドは…。
お父さんが家に帰ってきて、楽しい毎日を送っているクロッシにフランチはひどくあたりちらした。ペルボーニ先生が学校を休んだ日、フランチの妬みが爆発した。ベルカーチ先生に白墨の粉をなげつけて学校をとび出してしまった…。
学校をとび出したフランチはニーノや下級生からお金を巻き上げてるという。エンリコ達はフランチを見つけ後を追った。しかし雨の中で見失ってしまった。それを知ったペルボーニ先生はお話をして下さるという…。その時教室の廊下にひとつの影が…。
クラスメイトでピクニックに行くことになり、大喜びするエンリコ達、しかしエンリコ一家がトリノを去りローマに引っ越すことになってしまった…。