ある日、あなたの部屋の隣に受験生の花坂結衣が引っ越してくる。突如始まった隣人との穏やかな日々。そんな二人の関係は、ある「お願い」をきっかけに少しづつ動き出す。――これは結衣とあなたの、とある冬の物語。
隣人から家庭教師と生徒になったあなたと結衣。二人きりの空間で、次第に心の距離も近づいていく。そんなある日、銭湯に行った二人は、小さいけれど大切なある「約束」を交わす。
あなたへの日頃のお礼に手料理をふるまう結衣。楽しい時間が流れる一方で、結衣は模試の結果が悪くひどく落ち込んでいた。雪の降る夜、受験を目前にした二人に、ささやかで優しい時間が訪れる。
あなたに貰ったお守りを手に、受験に臨む結衣。そして季節は巡り、桜舞う並木道。隣を歩くあなたに、結衣はとっておきの秘密を打ち明ける。それはきっと、忘れることのない大切な瞬間。そして二人は――
忙しい日々に振り回されるあなたの元に、妹の奈月がやってくる。夏休みを利用して兄の生活指導に来たという奈月は、あなたに真っ当な一人暮らしを送らせるため懸命に世話を焼く。これは奈月とあなたの、とある夏の物語。
何気ない会話、誰かと過ごす日々。久しく忘れていた温かさを、あなたは奈月といることで思い出していく。あなたのために一生懸命に働く奈月。その想いに少しでも応えようと、あなたはとっておきの景色を用意する。
奈月が来て数日が経ち、楽しく騒がしい日々が続いていく。しかし同時にわずかな焦りをあなたは感じ始める。疲れているところ、情けないところを見せても、変わらず気遣ってくれる奈月に、あなたはある決断をする。
あなたの冷たい言葉に、思わず本音をこぼす奈月。素直になれない妹と、意地っ張りなあなたは、互いの思いを初めて知ることになる。やがて大したことのない、だけど大切な日々は、夏休みの終わりを迎えて――
東京で再会したあなたと幼馴染の萌香は、お互いの夢のために、厳しい現状に耐えながら日々を過ごしている。そんなひとりぼっち同士が寄り添って、少しだけ温かくなる、これは萌香とあなたの、とある秋の物語。
夢に一歩踏み出したあなたを、笑顔で応援する萌香。子供の頃のように楽しい二人だけの時間。しかし、その一方で浮かび上がってくる現実に、萌香は思い悩む。二人の歩みにわずかなズレが生まれ始めていた。
変わらないあなたの優しさに、どうにもならない苛立ちをぶつけてしまう萌香。さらに日頃の無理がたたって体調を崩してしまう。看病するあなたと、弱さを見せる萌香。ひと時の優しい時間は、萌香にある大きな決断をさせる事になる。
いつもの歌声が聞こえない、静かな町。萌香のいない、退屈な日々。やがてあなたは歩き出す。交わした約束を果たすために、思いを込めた言葉を紡ぐ。その言葉が届いた時、萌香は再び――