八岐猛は、幼馴染の白鳥琴乃、明日香姉妹とともに出雲学園に通う高校生。学園では剣道部に所属し、親友の大斗剛とともに稽古に励んでいる。そんなある朝、猛は剛から最近見知らぬ女性の夢を見るのだと聞かされるが、彼自身もその夢には覚えがあった。その日、全国大会の代表が選抜された。剛だろうと誰もが思っていたが、選ばれたのは剛に負けてばかりの猛だった。納得のいかない剛だが、その後の立会いで猛が勝利。自棄になった剛は、思わず琴乃に八つ当たりしてしまう。それを目撃した猛が彼に駆け寄ったとき、まぶしい光が2人を包んだ。
気がつくと猛は、植物に覆われ荒れ果てた出雲学園にいた。明日香、芹とは再会するが、剛と琴乃の姿はない。襲い掛かってくる巨大な昆虫を撃退しつつ、ようやく剛たちと合流を果たすも、そこを黒い影の一団に襲われ、剛と琴乃は連れ去られてしまう。残された猛たちに、一団の剣が向けられる。そんな彼らを救ったのは、謎の騎馬軍団だった。軍団の中にいたサクヤという少女に導かれ、一行は山道を下る。途中で、やはりこの世界に来てしまったらしいクラスメイトの北河麻衣を拾い、彼らは野営することに。だがその夜、野営地を何者かが襲う。
襲撃をなんとか退け、猛たちは結界に隠された「神の里」にたどりつく。そこで長のアマテラスから、彼らを呼んだのはヒミコという人物であり、サクヤたちの一族はヒミコの率いる悪霊たちと戦っているのだと聞く。一方、連れ去られた剛は当のヒミコに、あなたは英雄スサノオの転生だと告げられ、この世を一度混沌に戻すための手伝いをするように頼まれる。受け入れるつもりのない剛だが、琴乃とともに逃げる隙をうかがうために、悪霊軍と行動をともにすることに。だが移動中を人間たちの軍に待ち伏せされ、乱戦のあげくに人を斬ってしまう。
黒森の里から来た男から、悪霊軍とともに戦う剛らしき姿があったと聞く猛たち。目撃した本人に話を聞くため、猛は麻衣とカグツチとともに黒森の里へ向かい、それが事実らしいと確認する。悪霊軍の痕跡を追って馬を進める猛たちは、途中で人間の盗賊に襲われた人間たちの村を見る。人間の中にも欲望に負けるものはいる、というカグツチの言葉を、やりきれない思いで聞く猛。結局剛の行方はつかめず、神の里に戻るのだった。翌朝、まだ寝静まっている里から抜け出す影があった。それは、里の結界を支える鏡石を破壊する麻衣の姿だったのだ。
姿の見えない麻衣を探しに出たサクヤと芹は、倒れている麻衣とともに、里の結界が破られているのを発見した。ミナカタ率いる悪霊軍の接近が知らされ、里は騒然となる。ついに悪霊軍が来襲、応戦するカグツチたち。敵の隙をついて敵の野営地に向かうカグツチに同行した猛は、ヒミコを狙って乗り込んだ天幕で琴乃を見つける。だが彼女を連れ帰ろうとする猛の前に立ちはだかったのは、誰あろう剛その人だった。一緒に帰ろうという猛の言葉を拒絶し、戦いを挑んでくる剛。あやうくカグツチに救われた猛は、必ず剛を連れ戻すと誓うのだった。
里を失ったアマテラスたちは、避難したその場所を本拠地に定め、悪霊軍との最終決戦を決意する。だがその前に猛たちを、戦いに巻き込まないよう、反魂の術で元の世界に返すことに。術に必要な四聖獣の助けを得るため、猛たちはサクヤに案内されて彼女らの住む蓬莱山へと向かう。道中、四聖獣がさし向ける数々の試練を見事にクリアし、猛は彼女たちと契りを交わすことができた。麻衣はオオナムジにそのことを報告するが、その現場を明日香に見られてしまう。次の瞬間、オオナムジは麻衣の身体を乗っ取り、明日香を連れ去ってしまった。
敵に捕らわれた明日香たちを助けるため、悪霊軍の砦に忍び込む猛たち。芹が持つアマテラスから授かった勾玉に導かれ、ついに明日香、琴乃との再会を果たす。明日香から、麻衣が敵方の人間だったと聞くが、猛はそれでも麻衣を連れ帰ろうとする。そこへ現れたのは、剣を携えた剛だった。なぜ悪霊軍に味方するのかと問う猛に、ここで自分の生き方を見つけたと答える剛。二人は激しく斬り結び、本気の力でぶつかり合う。そのとき、反魂の術が発動しはじめた。一緒に帰ろうという猛の声を無言で拒む剛を残し、猛たちの姿は光の中に消えていった。
反魂の術により、猛たちは無事に元の世界に戻ってきた。一緒に来てしまったサクヤとともに、彼らは久しぶりに平和な朝を迎える。見るものすべてがはじめてのサクヤは、ショッピングやゲームセンター、プールなどで大はしゃぎ。平和なひとときを満喫する。一方、ネノクニではヒミコが、なかなか目覚めない剛の中のスサノオに呼びかけていた。だがその呼びかけに答えたのは、なぜか猛。ヒミコは、猛の中にもスサノオの魂があることを知る。その日の夜、月の位相がそろったとき、猛たちは剛を連れ戻すため、再びネノクニに戻るのだった。
再びネノクニへと戻ってきた猛たち。だが猛がスサノオの魂を持つと知ったヒミコが、彼を呪力で捕らえようとする。あやういところを琴乃が捨て身の行動で守るものの、その衝撃で琴乃の魂はヨモツヒラサカへと弾き飛ばされてしまった。琴乃を助けるため、四聖獣の力を借りようとする猛たち。そんな彼らの前に現れたのは、ヒミコの下僕であるリンだった。かつて四聖獣たちの長だったというリンは、猛に前世の記憶を見せる。その頃、剛もまた琴乃の死を夢に見ていた。琴乃を助けたければ渦に飛び込めという声に、剛はためらわず従った。
琴乃の魂を取り戻すため、猛たちは四聖獣の力によってヨモツヒラサカにたどり着く。ここは死者が生前の記憶を少しずつ捨てていく場所。猛が追いついたとき、琴乃はもうヨミノクニの住人になってしまっていた。だがそこの番人である牛頭が、どうしても取り返したいなら試練を乗り越えろという。それは、決して背後から来る琴乃を振り返らずに坂を上るというもの。もう少しというところで、牛頭の罠にはまり振り返りそうになる猛。そこに、その場にいないはずの剛の声が響く。その声のおかげで真実に気づき、猛は琴乃を無事に連れ戻した。
悪霊軍との最後の決戦。罠にはまった悪霊軍を追い、猛たちは敵の要塞へと攻め込む。戦場の真っただ中で、剛に遭遇する猛。剣をかわすうち、蘇ろうとするスサノオ声に共鳴して、猛は我を忘れてしまう。押され始めた剛と猛の間に割ってはいったミナカタの胸を、猛の剣がつらぬく。戦友だったミナカタを失い、剛は憎しみを燃え上がらせる。一方、我を取り戻した猛の前には、息子を殺されて怒りに燃えるオオナムジが立ちふさがる。隙をついて襲いかかるオオナムジに、なすすべもない猛。だがそのとき、ヒミコが自らの結界を開き猛を取り込む。
結界に取り込まれた猛は、剛を探して神殿の中へと入ってゆく。一方、剛は真のスサノオとなることを決意する。ヒミコの前でついに再会した2人は、スサノオの魂が求めるまま刃を交わす。戦いの中、剛がぶつける憎しみを、猛は受け止める。俺が邪魔なら殺せと言う猛に、剣を振り上げる剛。だがその刃は、ついに振り下ろされることはなかった。崩れ落ちる神殿の中、スサノオの魂は浄化され、ヨミノクニへと旅立っていった。そして長きに渡る戦いは終わりを告げた。猛と剛、最後の一戦を終えた2人が選んだ、その後の生き方とはいったい……。