南町奉行所同心・中村主水は、姑や嫁にいびられまくる婿養子。だが、裏の顔は仕事人と呼ばれる殺し屋だった。主水を筆頭に、かんざし屋の秀、時計師の夢次、首切役の山田朝右衛門、百化けのお歌、大奥に仕える元締めの初瀬ら仕事人が悪の退治に乗り出す。
■キャスト
藤田まこと
三田村邦彦
中村橋之助
白木万理
光本幸子
目黒祐樹
滝田栄
酒井和歌子
菅井きん
■スタッフ
脚本:吉田剛
中村勝行
篠崎好
高山由紀子
保利吉紀
田上雄
いずみ玲
鴨井達比古
中原朗
佐藤五月
監督:原田雄一
石原興
松野宏軌
吉田啓一郎
津島勝
音楽:平尾昌晃
南町奉行所は、強力な仕事人狩り部隊・覆面組を結成。そんな中「ねずみ小僧の女房」と名乗る松平家の中老・お初が、二十八年前に殺された夫・次郎吉の恨みを晴らして欲しいと、元締・初瀬に依頼。しかし覆面組を警戒する主水は、この仕事を断るのだった。
大久保彦左衛門の直系の子孫・彦次郎は、変わり者だが老いてもなお世を憂う硬骨漢。ところが彦次郎に見込まれ中間になった魚屋の太助が、何者かに殺されてしまう。太助の女房・お滝は彦次郎を犯人だと決め付け、恨みを晴らして欲しいと仕事を依頼するが……。
米問屋・大黒屋の手代・弥之助は、主人の娘・お勢を拐して金を奪った罪で打ち首と決まった。ところが弥之助が水戸光圀公の印籠を持っていたため、斬首は保留となってしまう。これを知った大黒屋の後見人・仁兵衛は、弥之助殺しを仕事人に依頼するが……。
江戸でも屈指の小間物問屋・長崎屋市兵衛の後妻・お藤は、店の宣伝代わりに八百屋お七が着ていたという振袖を着て外出していた。ところがある日、長崎屋の先妻の娘・お小夜が顔見知りの秀を突然訪ね、何も聞かずにその振袖を預かって欲しいと頼むのだった。
人気女形・瀬川菊之丞が、さるお屋敷の奥女中・梅枝と心中。その数ヵ月後、遊び人の清二が何者かに斬り殺される事件が発生。清二が秀の作った簪を握り締めていたことから、秀は覆面組にマークされることに。事態を重く見た元締・初瀬は、秀の始末を命じる。
覆面組がいよいよ秀に的を絞り、襲撃を開始。その巻き添えで、さだの娘・みよが犠牲となってしまう。さだは娘の恨みを晴らして欲しいと仕事を依頼し、初瀬と主水らは覆面組との全面対決を決意。しかしその会話を、初瀬に仕える女中・みねが盗み聞きしていた。
近頃江戸には無宿者が増え、主水はその取り締まりで大忙し。その頃朝右衛門に仕える中間・与之吉は、主人の名刀を密かに売り飛ばそうとして、朝右衛門に捕えられていた。彼は幼馴染のおきちを岡場所から身請けするため、五十両もの大金を必要としていたのだ。
材木問屋・出羽屋の主人・大八は元関脇で、町火消し・め組とは三十年前の大喧嘩以来の犬猿の仲。そんな中、愛娘・お妙の祝言を控えた大八が何者かに殺されてしまう。現場付近でめ組の纏持ち・金次の鳶口が発見され、金次は追われる身となってしまうが……。
近頃江戸では、五人組の押込強盗が大暴れ。そんな中お歌は、皆殺しにされた両替商・近江屋の中で唯一生き残った少年・新吉と知り合う。一方、研ぎ師の元で名刀「関の孫六」を見かけた朝右衛門は、多くの血を吸っているその刀が兄・垣内左近のものだと知る。